研究執筆活動(2005年)

東京都公立保育園研究会のいきいき子育て通信『はぐくみ』49号 2005年7月発行
編集 特定非営利活動法人東京都公立保育所研究会

きょうだいげんかは、学びのチャンス!

窪田 容子

 私には3人の子がいます。ひそひそと楽しげに相談をしていたずらをしている姿、お互いに刺激しあって楽しい気持ちをエスカレートしていく姿、病気になった子を心配顔で見守る姿。そんな子ども同士のかかわりを見るのが大好きです。
 きょうだいがいれば、けんかは日常茶飯事。忙しい毎日の中で、ついイライラとして、てっとり早く、「けんかは、どっちも悪い!」とか、「お姉ちゃんなのだから、譲ってあげなさい!」などと、大声で黙らせてしまうことはないでしょうか?
 でも、ちょっと待って。けんかは、葛藤への対処を学べる大きなチャンスです。人と人が接するときに、葛藤が生じることは避けられません。いつも譲ってしまうのでもなく、いつも自分の主張を押し通すのでもなく、お互い譲歩しあって葛藤を乗り越えることを、子どもは学ぶ必要があります。親が、問答無用で黙らせてしまうと、このチャンスを逃してしまいます。
 まずは、子ども同士で解決できるかどうか見守りましょう。うまく解決できないようなら、親の出番です。それぞれの子どもの話に耳を傾け、気持ちを受け止めてあげましょう。「それじゃ、○○ちゃんが悪いのね」などと、どちらが正しくどちらが間違っているかということは、大切なことではありません。お互いに納得のできる方法を見いだすための手助けが必要です。「○○ちゃんは、こうしたい。△△くんは、こうしたくない。このままだと、どっちも遊べなくなっちゃうよね。どうしたら良いかな?」など問題解決のための話し合いをし、子どもに考えてもらいましょう。最初は、親がヒントを出してあげることが必要かもしれません。話し合いがうまくいかなくても、一生懸命考えて、少しでも代替案を出せたり、譲歩できたりしたならほめてあげましょう。いっぱいけんかをして、いっぱい怒って泣いて、そこからいっぱい学んでいけるといいですね。
 きょうだいげんかでの子どもの反応が、親子間の葛藤場面における親の反応の鏡であることもあります。親子間の葛藤において、親の主張が一方的に通っていれば、子どもは、互いに譲歩しあう葛藤解決を学ぶことは難しいでしょう。子育てはいつも我が身を振り返らされるもの、親にとっても成長のチャンスですね。