今月のトピック by 村本邦子

2007年6月 タッピング・タッチ

 先日、ホリスティック心理教育研究所の中川祥子さんを迎えて、タッピング・タッチの研修をしてもらった。タッピング・タッチというのは、祥子さんのパートナーである中川一郎さんが開発したホリスティック・ケアの技法。トントントン・・・と指先で軽く相手をタッピングするというだけの簡単な方法なのだけど、これが、リラクセーションにもコミュニケーションにもなり、命のつながりを感じさせる。『タッピング・タッチ』(中川一郎著、朱鷺書房)の本には、「こころ・体・地球のためのホリスティック・ケア」というサブタイトルがついているのだが、「うん、たしかに」と納得する。

 これまで何度か経験して、「これはいいな〜」と気に入ったので、さらに、本やビデオで勉強して、いろんな人に紹介してきた。祥子さんに教えてもらうのは初めてだったけど、やる人によって個性が出て、その人となりが感じられるのも面白い。やる場や相手によっても違ってくるのだろうけど、祥子さんのタッピングは、どちらかと言うと、張りがあって、呼びかけられている感じ。応答したくなる。今回はいろんなバリエーションを教えてもらったので、目的によって使い方もさまざまに広がる。そう考えると職人技に近くなっていくけれど、タッピング・タッチの神髄は、やはり、そのシンプルさ、誰でも、どこでも気軽にできるというところにあると思う。

 最近、バリダンスの準備体操のひとつとして、ペアを組んで、背中をそっとさするということをしている。背骨に添って上下にとか、肩甲骨周りとか、肩を左右にとか、本人の気持ちの良いように優しくさするだけ。やっていると、不思議と互いの体が温まり、だんだん緊張がほぐれていく。最後は前屈、そしてバリダンスの基本ポーズになる(背中をそらして、腰をぷりっとあげる)。先生がフェルデンクライスをやっているので、準備体操には、それが取り入れられている。

 体っていうのは本当に不思議だ。誰かにそっとタッチしてもらうと、普段は無意識だったその部位が、くっきりと意識される。その部分に意識を向け、ただ感じていると、意図的に何もしなくても、いつの間にか、その部分の緊張が緩んでいくのだ。意識を向けてやるという行為自体が、ケアリングなのだと思える瞬間だ。他者に対しても同じ。苦しんでいる人に何もしてあげることができないとき、ただただその人のことを思う(=祈る)ことで、何かが伝わるように感じることがある。

 科学で解明されることは、あらゆる事象の氷山の一角ではないか。10月20・21日、イーストウエスト対話センター主催、立命館で「心身医学と一人称のからだとの出会い」というカンファをやる。ハコミ、エサレン、アロマ、気功、その他たくさんの代替医療を紹介するワークショップもある。一般公開なので、関心のある方は是非どうぞ。