女性ライフサイクル研究所 News Letter

No.127

アディクションから回復するには?

下地 久美子

食べ物、アルコール、買い物、ゲーム、ギャンブル、インターネットなど、私たちの周りには、人生を楽しく快適にするものがあふれています。普通は、それらの物や行動を好んだり必要とすることはあっても、強い執着心を持つことはありません。しかし、アディクション(依存症)にかかると、それらのことばかりを考え、人生において何よりも優先される重要なものとなり、やめようと思っても意志の力だけではやめることができなくなってしまいます。

アディクションには、誰でも陥る危険性があります。例えば大きな喪失感を味わった時、その苦しみや悲しみを何かで埋めたいという欲求が生じます。愛する人を失った時、夢が破れた時、信頼を裏切られた時、社会的地位を失くした時、家族が離れ離れになった時などがそうです。特定の物や行動にしがみつくことで、一時的に苦悩から解放されたり、高揚感や安堵感が得られたりするために、深みにはまっていくのです。

アディクションが進行すると、刺激に対して耐性ができ、それまでと同程度の刺激では満足できなくなり、さらに頻繁により強力に行わなければならなくなります。そして意識的に止めない限り、行き着くところまで進んでいきます。

アディクションから回復するには、まず、自分を偽るのをやめ、誤魔化さないこと。自分が陥っている状態を正直に認め、何か手を打たなければ逃れる道はないと自覚することです。そして他者とのつながりを取り戻すことがとても重要な鍵となります。

回復のプロセスは、一直線に進むのではなく、何度も後戻りすることがあります。また一人で取組むのは難しいものです。自助グループやカウンセリングを利用しながら、自分も他者も大切にし、人生に意味を見いだせるようになった時に、ようやく出口が見えてくるのかもしれません。