女性ライフサイクル研究所 News Letter

2009年1月発行第83号

感情との付き合い方

窪田 容子

新次元の認知行動療法といわれる、ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)について、文献を読んだり、研修会に参加したりして学んでいる。全体像を紹介するにはさらに勉強が必要だが、あるACTの研修会で心に残った言葉を一つ紹介したい。

Good-bye, "Feeling Good" -ism!
Hello, "Valued Living" with Every Feeling!

日本語に訳せば、
「良い気分ばかりを追い求めることに、さようなら!
いろいろな気分を伴った価値ある人生に、こんにちは!」
という感じだろうか。

日常生活の中で、落ち込みや不安などを感じやすい場合、自分の考え方やとらえ方が影響していることがある。自分の考え方、とらえ方の偏りによって、どんな状況からも否定的な面を見つけ出してしまう人もいる。例えば、人が集まって談笑しているのを見るだけで、自分の悪口を言っているに違いないと不安になる場合は、自分のとらえ方にアプローチしていく従来の認知療法が役立つだろう。

しかし、考え方やとらえ方に関わらず、落ち込んだり、不安になったり、腹が立ったりすることはもちろんある。苦しいばかりの人生もないだろうが、楽しいばかりの人生というのもまたないだろう。人生は私たちにいろいろな出来事と出会わせてくれる。

いつも楽しく、幸せであろうとすれば、そうはなれない現実とのギャップに悩むことになる。悲しみも悔しさも腹立たしさも落ち込みも、いろいろあって当たり前。そこから、逃れようとばかりしていたら、逆に足を絡め取られてしまうことにもなる。
不安、苛立ち、寂しさ、惨めさ、喜び、楽しさ、わくわく、どきどき、うきうき・・・ いろいろな感情に出会うこと、それが人生というもの。悲しみも、悔しさも落ち込みもあるからこそ、喜びや楽しさがより引き立つのだとも言える。

落ち込んだり、不安になったりした時に、冒頭の言葉を思い出すと、うんうん、そうだよ、いろんな時があって、それでいいんだよ〜という気持ちになる私がいる。