女性ライフサイクル研究所 News Letter

2009年1月発行第83号

授業崩壊?

前村 よう子

私立高校や専門学校での授業を通して若者たちと関わり始めて今年で17年目になる。そのうち幾度か授業崩壊に遭遇したことがある。

よく学級崩壊という言葉を聞くが、これはどんな科目であろうと、どんな教員が担当しようと、授業が成立しない状態を指す。これに対して授業崩壊は、特定の教科や特定の教員の授業時のみに発生する崩壊状態を指す。

2年前、過去最大級の授業崩壊に遭遇した。私を含めて、中高年女性講師3人の授業が崩壊した。例えば、悪気の無いお喋りが授業中あちこちで続く。注意すると「しゃべってないし〜。なんで私だけ怒られるん」と逆ギレ。席は勝手に移動。授業の内容について同じ質問を5〜6人が別々のタイミングでしてくる。「それはさっき3回くらい説明したよ」と言うと、「聞いてないし〜」と逆ギレ。授業の度に大声を張り上げるので、喉はガラガラ、精神的な消耗度も高い。教室に入る前の小さな気合いだけではとても乗り切れず、3人で話し合ったり、生徒指導部の協力を仰いだりしながら、なんとか1年を乗り切った。

ところが春休みが終わり、4月、再び同じクラスを担当すると不思議な化学変化が生じた。「先生〜、懐かし〜!また教えてもらえるんや」「先生で良かった〜」と崩壊したクラスの生徒達がにこやかに迎えてくれた。「授業崩壊」したクラスから逃げず、生徒におもねる事もなく、「アカン事はアカン」と初志貫徹した事が良かったのか。春休みを終え、学年が上がった事で生徒たちに自覚が生まれたのか。正解は分からないが、こんな変化に出会えるからこそ、この仕事は辞められないと思う。