女性ライフサイクル研究所 News Letter

2009年1月発行第83号

多世代コラボ子育てのヒント

津村 薫

時代の変化によってコミュニティが変わり、家族のありようが変わり、多世代が交流できる機会が減っている。機会が減少すれば知り合う機会が少ないのだから、互いを理解し合うチャンスも少ない。さまざまな人が子育てに関わることは、子どものみならず、異世代から元気をもらったり、自分の知恵や技術を受け渡せるシニア世代、ひとりで頑張らずに助けてもらえる親世代、誰にとっての安心・喜びにも繋がる。
異世代間のさまざまなトラブルを見聞きしてきたことで、うまく繋がる関係づくりのヒントについて講義することが増えてきた。2008年に奈良県子育て家庭サポートセンター発行の冊子、『みんなで子育てぽっかぽか〜多世代コラボ子育て〜』の監修・執筆に窪田と関わり、その後、同センターの事業を中心に、多世代交流推進に力を入れてきた。冊子の中で、多世代で良い人間関係を築く人たちにインタビューをした「上手につながるヒント」という頁がある。いずれも、小さな譲歩は厭わず、相手の話をよく聴く柔軟性に長けていたり、相手を肯定的に見て大切にしようとする姿勢、物事を前向きに捉えようとする思考を持っていることがわかる。これはどんな人間関係に限らず、必要なことなのだろうと思う。「滅多に会えないから孫に顔も覚えてもらえない」という言葉より、「たまに会うから可愛さもひとしお。忙しい中、遊びに来てくれて嬉しい」という言葉を言う人の元に、人は行きたくなるだろう。

「おじいちゃんおばあちゃんは孫を甘やかしてばかり!」という態度より、「孫は特別な存在なんでしょうね。可愛がってもらえて、子どもは幸せです」という態度の方が人間関係はスムーズにいく。
もちろんお互いにNOを言わないといけないこともあるし、譲り過ぎたり我慢し過ぎたりという態度はマイナスだが、前向きな思考・態度で良い影響を与え合える関係づくりを大切に考えていきたいものだ。