女性ライフサイクル研究所 News Letter

2009年1月発行第83号

ストレスマネジメント

桑田 道子

精神的な緊張や負担を強いられ、「ストレスがたまる」場面は、どなたも経験されているでしょう。「ストレス」は私達にとってとても身近なものですが、元々は「なにかの刺激、外圧を受けて、物体がゆがむこと」を表す物理用語でした。その「外からの刺激、圧力をうけて起きるゆがみ」は人間にも起きるのではないか、とカナダの生理学者であるハンス・セリエが物理学の言葉を生理学の領域にもってきたのが、私達が一般に使う「ストレス」の始まりだといわれています(1936年)。

ストレスへの対処を考えるとき、「ストレスマネジメント」という言葉が使われることがあります。マネジメントは「管理」とよく訳されますが、本来は、もう少し深い意味を持ち、「そのものを生かす、その資源を生かす」ことを表します。芸能人のマネージャーという職業は皆さんもご存知だと思います。仕事内容はスケジュールをチェックしたり、食事の用意をする…など思い浮かびますが、そういった仕事が主ならば秘書や付き人であって、マネージャーという名がついている限りは、本当のマネージャーの仕事は「担当しているタレントや俳優を最大限生かすこと」なわけです。どんな仕事を次にすれば、担当タレントにさらに付加価値がつくのか、この仕事はどのように応じることが次につながるのかと、タレントの才能を最大限生かすためにあれこれ考えたり、動くのが、マネージャーの仕事だそうです。

ですから、ストレスマネジメントも、ストレスというものをよく知り、うまくつきあい、生かす方法を身につけることを指します。というのも、過度のストレスや長期継続的にストレス状態が続くと、心身の病気を引き起こしかねませんが、まったくストレスがゼロな状態も人間にとって良い状態ではありません。ストレスやプレッシャーがあったから頑張れたという局面も人生にはあります。ストレスゼロでは刺激もなければ成長もない、という状態です。ですから、ストレスをゼロにすることを目標にするのではなく、適度に軽減してバランスをとる「ストレスマネジメント」を身につけていくことが、ストレスに対抗する一番の方法です。