女性ライフサイクル研究所 News Letter

2009年1月発行第83号

「母娘関係」を考える

下地 久美子

「母娘関係」というのは、女性にとって、永遠のテーマといえるほど大きなものです。カウンセリングでも、母親との問題が根本にある方に出会うことがよくあります。「母の夢を実現するための道具にされた」「母に認められたくて、いい子を演じてきた」「ずっと母の愚痴の聞き役だった」「母に関心を持ってもらえなかった」など、多くは、母親から強い影響を受けてきたために、自分らしく生きられないつらさを語られます。そして、その苦悩は、若い世代だけでなく、中高年になっても続くことが珍しくありません。

母親は娘が生まれたときに、同性であることで、娘を自分の分身のように感じてしまいがちです。叶えられなかった夢を娘に託して、もう一度娘として生き直したいという願望をもつこともあるでしょう。また、同じ女性だから、気持ちが通じる、わかってもらえるという過剰な期待を抱いてしまうこともあります。

幼い娘たちは、愛されたい一心で、母親の願いに応えようとします。そのほとんどは、思春期に反発して、母親から独立した自分自身を築いていきます。けれど、親の期待に応え続けると、あとになって母親の代理人生を歩まされてきたと苦しむことも少なくありません。そして、母に対してネガティブな感情を持ってしまうことに罪悪感を覚え、母親から独立した「個」を確立するのに大変なエネルギーを要します。

娘が母親から離れようとすると、母からすれば、「娘のためにこんなに一生懸命やってきたのに裏切られた」と、娘に対する怒りが湧き、母娘関係がこじれてしまうことにつながるのです。そうならないためには、母と娘であっても別個の人格であり、それぞれの人生を生きなければならないということを理解しておく必要があるでしょう。
女性ライフサイクル研究所では、毎月1回、母娘関係を考える読書会をおこなっています(詳細は裏面参照)。興味のある方は、事務局までお問合せください。