女性ライフサイクル研究所 News Letter

2009年1月発行第83号

レジリエンスを育む子育て

小田 裕子

“レジリエンス(resilience)”という言葉を聴いたことがありますか?

日本語では、回復力、逆境を跳ね返す力、しなやかさ、等と訳されている。言葉上で理解するのは難しい概念だが、「環境の変化が起こると、なんとか安定を図ろうと自分なりに独自の対処(努力や工夫)をしている、その独自の対処がレジリエンスの働き」と考えるとしよう。

レジリエンスは、過度なストレスや逆境下において力を発揮するものとされてきたが、子育てを楽しむにあたっても、役立つ概念だと想うので、紹介したい。

子どもの成長は著しく、落ち着いたと思ったら、また新たな壁がやってくる。楽しみでもあるが、時に、息詰まることもあると思う。そんな時、「困った」からちょっと離れて、「この子のレジリエンスはなんだろう??」と考えてみる。

次女が保育園に入園した頃、そっくり返って大泣きをし続けた。ひどく泣き続けるので、2時間だけの保育を余儀なくされた。私も参るし、仕事もできない。どうしてこんなに泣くのだろう・・・ふと、レジリエンスを思い出し、考えてみた。母親と一緒の生活から、保育園という一転する環境の変化に対して、大泣きは本人とって必然のこと、そうすることで、先生に抱っこしてもらえたり、色んな人に声を掛けてもらったりして、母も早く迎えに来る。大泣きは、自分らしく安定するためのレジリエンスだと気付いた。

レジリエンスに着目した子育ては、いたってシンプル。@環境の変化に対する独自の対処に目を向け、Aレジリエンスを特定する。そうした見方・考え方の変化だけで落ち着く場合もあるだろうし、うまくいった時や例外探しをしながら、B今まで無意識に活用していたレジリエンスを意識化し、いざという時に使える子育て資源にしたり、C必要に応じて、その他のレジリエンスを一緒に開拓・開発していくことも役立つだろう。
(詳しくは、「女性ライフサイクル研究 第16号」HP参照)