女性ライフサイクル研究所 News Letter

2007年12月発行第70号

若年層のDVについて

前村 よう子

 今年の4月から7月までフジテレビ系で放映されていたドラマ「ラスト・フレンズ」は、様々な問題を取り扱っていた。子ども虐待、インセスト、心と身体の性の不一致など。そしてメインテーマが恋人からのDVだ。夫婦間、あるいは事実婚カップルの場合、DV防止法という法律が存在する。まだまだ改善点が少なからず残されているとはいえ、法律があるだけでも大きな進歩だ。DVが「遠い海外の出来事で、日本人のケースはほとんどない」と一般に思われていた15年ほど前に比べれば、「DVは身近な所に存在する」と多くの人が認識するようになった。ただ、そんな現在でも、婚姻関係や事実婚関係とまではいかないカップル間のDVは多くの問題をはらんでいる。既存のDV防止法ではカバーできない分野でもある。

 カップル間のDVとして、特に問題視されてきたのは、中高生や大学生等の若年層のカップルにおけるDVだ。筆者は非常勤講師として私立高校や専門学校での授業を通じて生徒や学生と関わりを持ってきたが、その中で多くの事例に出くわしてきた。DVの難しいところは、他人のDV被害には気付けても、自分自身のDV被害を認識するのは簡単ではないというところだ。これは、情報が一般的でなかったかつても、ある程度の共通理解が広まった現代でも変わらないという印象を受けている。

 DV被害を認識した後、被害から逃げる手だてと協力者、被害者を守り、またその立ち直りを支えるシステムと組織、そして加害行為改善プログラム等々、多くの人の知恵と力と地域や国のバックアップが必要となる。越えるべきハードルの高さに圧倒されつつも、負けないように、これからも立ち向かい続けていきたい。