女性ライフサイクル研究所 News Letter

2007年6月発行第64号

子育て支援者のスキルアップを目指す
キッズ・サポーター・スキルアップ講座のお知らせ

津村 薫

 日本における子育て支援は、母親たちの孤独な子育てを援助することに力が注がれてきた。オランダではワークシェアリングの成果で合計特殊出生率がアップしたが、日本の場合はむしろ賃金コストを抑える目的でそれが導入され、正社員のサービス残業の容認なども依然根強い。父親が家庭を顧みるゆとりは未だ持ちようがなく、母親たちが孤独な子育てを強いられている環境は現在も根強いと言える。氾濫する情報に振り回されたり、仲間同士の人間関係が築きにくい母親たちの育児不安は軽視できない現状がある。

 一方、現代の母親たちとどのような関係を築いていけるのか、どのようにサポートをすれば良いのかと困っている子育て支援者は多い。母親たちの本来持つ力を引き出すサポートよりも、もどかしい思いで、つい教えてあげたくなり、お説教に走ってしまうといった声もよく聞かれる。一方では、全てを受け入れなければと枠組みが甘くなり、結果、支援者が疲れきってしまい、仕事に支障をきたすケースも少なくない。次から次へと起きる問題にどう対処してよいのか困惑しているという話もよく耳にする。また、法律改正と共にさまざまな役割を負う保育士のメンタルヘルスの悪化も問題視されており、支援者自身が心身の健康を保ちつつ、良い仕事をしていくことも望まれる。

 女性ライフサイクル研究所の「キッズ・サポーター・スキルアップ講座」は、現役子育て支援者のための2日間集中講座として、毎年夏に大阪・京都で行っているもので、今年も8月にドーンセンターとウィングス京都を会場に実施する。「虐待防止を視野に入れた子育て支援」「子どもの発達心理を学ぶ」「保護者対応のポイントと保育者のストレス」「援助の枠組み」「聴く技術」など、現役子育て支援者が最も悩むと言われるテーマを集め、女性ライフサイクル研究所のスタッフが講師を務める。援助技術を身につけ、自分自身の価値観をも点検し、日頃の仕事を振り返り、困難に対応してゆける力を持つことを目指すものだ。現役子育て支援者の方には、是非ご受講いただきたいと願っている。