女性ライフサイクル研究所 News Letter

2007年5月発行第63号

精神分析ってどんなもの?

長川 歩美

 心理療法の1つに「精神分析」がありますが、みなさんどんなイメージをもたれるでしょうか?「精神を分析する」ということで、「セラピストが分析を受ける方のこころを一方的に分析する」とイメージする方もおられるかと思いますが、実際には「自分のこころに率直に向き合ってそれをことばにするという作業にセラピストが同行する」というイメージが近いようです。

 精神分析は1900年代のはじめにウィーンでジークムント・フロイトによって始められました。寝椅子もしくはベッドに横たわり、自分のこころに浮かんできたことを思いつくままに話していきます。セラピストは分析を受ける方からは見えないところにいながら、分析を受ける方のこころの世界に触れ、体験し、理解していきます。精神分析は「人のこころは意識的なこころと無意識的なこころの両方から成り立っている」という考えが基にあります。人は誰でもある種の無意識的なとらわれをもって生きていますが、それが大きすぎると苦しくなり、ゆとりを失い困難におちいります。

 精神分析は、分析を受ける方が少しずつ自分自身をこころから理解し、無意識的なとらわれから自由になり、やがて人生について本質的な、かけがえのない気づきを得ていくことをめざしています。

 精神分析は、同じパターンでつまずくように感じる方、自分で自分の邪魔するような感じをうける方、そういったことが重なって気分が沈んだり、人間関係に希望がもてない方などに役に立つものであるとされています。1回45分から50分、週3回から5回が基本です。時間・費用がかなりかかることから、経済的な条件がととのい、ほんとうに自分のこころを見つめ、自分を変化させようとする気持ちがないと続かないかもしれません。
なお現在では「精神分析的心理療法」という、精神分析の考え方をベースにした週1回45分から50分のペースですすめられる方法も多く利用されています。