ニュースレター No.52 / 2004年11月

改正DV防止法について

 配偶者暴力防止・被害者保護法(ドメスティック・バイオレンス防止法)は、配偶者(事実婚を含む)からの暴力を防ぎ、被害者を保護する目的で2001年10月に施行されていました。3年後を目途に見直す規定があり、2003年からその作業が行われていました。同改正法は2004年3月27日の衆議院本会議で全会一致により可決、成立しました。施行は12月からです。
 改正された「配偶者暴力防止法」の概要は以下の通りです。

@ 配偶者からの暴力についての定義が拡大されました。
身体的暴力だけではなく、心身に有害な言動も暴力と認められます。離婚後の元配偶者からの暴力的な言動もこれに含まれます(ただし精神的暴力を保護命令の対象にすることは見送られました)。

A 保護命令が拡充されました。
保護命令には、暴力を振るう配偶者が被害者に近づくことを禁じる「接近禁止命令」と、加害者を自宅から一定期間立ち退かせる「退去命令」があります。「接近禁止命令」は今回の改正により、子どもや元配偶者に対しても加害者からの6ケ月間の接近禁止が盛り込まれました。新たに子どもを保護対象にした背景には、加害者が、配偶者や元配偶者の居所を知るため、同居の子どもに近づく懸念があるためです。また「退去命令」については、現行で2週間の立ち退き期間が2カ月間に延長されました。2週間というのは、被害者が今後の生活の見通しを立てる期間としては短すぎるとの指摘を受けて見直されたものです。被害者と生活の本拠にしている住宅付近での加害者の徘徊禁止も盛り込まれました。

また、被害者の自立や保護を国と地方自治体の「責務」として明確に位置づけたところも変化とい
えます。具体的には国にDV対策の基本方針、都道府県に基本計画の作成を義務づけました。その他、

B 市町村によるDV相談支援センターの業務の実施
C 被害者の自立支援の明確化
D 警察本部長等の援助
E 苦情の適切かつ迅速な処理
F 外国人、障害者などへの対応
G 施行後3年を目途に法理の内容を見直す。

などが基本的なところです。

 まだ課題が山積したものではありますが、これまでのDV防止・被害者援助の関係者の努力が実って、いくつかの大切な事案が盛り込まれたことを嬉しく思います。暴力被害者への援助は、女性ライフサイクル研究所がとりわけ熱心に取り組んできたことですが、今後も私たちにできる援助を模索していきたいと思います。

(津村 薫)