ニュースレター No.45 / 2003年2月

2003年に向けて

西 順子

 皆さんにこのニュースレターが届くころは、2003年をすでに迎えられていることと思います。原稿を書いている今は、もうあと10日ほどで今年も終わる・・というところ。今年最後のラストスパートをかけているところです。
 2002年は、無我夢中で駆け抜けた一年でした。大きな変化の一年でもありました。すでに人生半分を生きてきましたが、振り返ると、人生にはいろんな時期があるものだと、つくづく思います。身動きできない時期〜立ち止まりこれまで来た道を振り返り、この先どうすすんでいくのか、闇の中から光が見えるのをじっと待つ時期もあれば、とにかく今前に歩みを進める時期〜ちっぽけな人間の力を超えたもの、大きな流れに身をまかせて、とにかく進んでいく時期もあります。前者はエネルギーを貯める時期、後者はエネルギーを発揮する時期でもあるでしょう。今年は後者の時期だったと思いますが、それも私たちの力を超えたもの、私たちを支持してくださる皆さんがいて下さってこそと感謝しています。人生とは、山登りのように頂上を目指す旅ではなく、いろんな時期、サイクルを巡りながらすすむ終わりのない旅のようなものだな・・と改めて実感する今日この頃。2002年が無事に締めくくれることに感謝するとともに、2003年は、また新たな気持ちで、よりよいサービスが届けられるよう努力していきたいと思っています。
 さて2002年の終わりに、女性のメンタルヘルスに関わる調査に協力し、いろんな相談機関・医療機関を訪問、心のサポートに関わる皆さんのお話を聞かせていただく機会がありました。お話を聞くなかで、現代、そしてこれからの時代に、人間の心はどうなっていくのだろうか・・・と社会や時代が心に与える影響について改めて考えさせられました。経済不況、リストラなどによる生活の不安、戦争や犯罪、暴力など安全が脅かされる不安など、ますます人が生きにくい時代になってきたのかもしれません。情報社会、コンピューター社会にあっては、生身の人間との関わり、人と人との「心の触れ合い」は益々減っているのかもしれません。子どもたちも未来への夢を失っていると言われています。人間疎外の社会で、これから私たちはどういう方向を向いて生きていったらいいのか、誰もが模索している時代であるともいえるのでしょう。
 でも、そういう時代だからこそ、益々「心とからだ」「いのちの声」に耳を傾けることが必要ではないかと感じます。時代の変化は、虐待、暴力、性被害など社会が女性や子どもの問題に目を向けるようになったという前進をもたらしました。これからの時代、一人一人の「いのちの声」に耳を傾けることによって、希望は生まれてくると信じています。「いのち」と「多様性」を尊重する社会、一人でも多くの人が、「生きている(存在している)ってすばらしい」と感じられるような社会になればなと願っています。
 広い世界のなかで、私たちにできることは限られています。自分にできることもほんの少し、限られたことでしかありません。でも、その限られたなかですが、お一人お一人との出会いを大切に、精一杯の気持ちで2003年も歩んでいきたいなと思っています。