ニュースレター No.44 / 2002年11月

予防啓発部門から

津村 薫

 女性ライフサイクル研究所は今秋で開設13年、本当にさまざまな機関から講演のご依頼を頂いてきました。そこで私たちは、いろいろな女性たちに会ってきました。自分を責めていたり、自信がなかったり、自分が好きではないという方が少なくないことに、いつも考えさせられてきました。過去の傷つきがあったり、ひとりで孤独に育児を頑張っていたり、人間関係に悩んでいたりと、さまざまな問題を抱えている人たちも多くおられました。少しでも勇気や希望が湧くような話を・・できない理想を掲げて苦しむのではなく、できない現実をよく認めたうえで、自分を責めることなく出発するような生き方を・・自分自身をもっと大切にし、豊かに感じたり、表現することを重んじられるような人生を・・と、思いは尽きませんでしたが、私たちも、より良い生き方を探れるような場を提供できるよう、勉強を重ねてきました。
 そうして会社設立と共に誕生したのが、予防啓発部門です。「人の心の闇に寄り添い、共に回復への道程を歩む」のが心理治療だとすれば、予防啓発は、「人の心の光に焦点を当て、その光をふくらませてゆく」ことだと考えています。私たちが行う予防啓発活動には、講演、コミュニケーションプログラムの提供、出版、通信物発行、学びの場や、語らいの場の提供などがあります。
 講演活動では、「子どもの叱り方」「豊かな心を育てる子育て」「子育てに失敗したと思っていませんか?」「ジェンダーフリーの子育て」「思春期の子どもをもつ親のありかた」「コミュニケーションスキルを身につける」「やさしく女性学を学ぶ」「女性の生き方」「自己理解を深める」「ストレスマネジメント講座」など、子育てから生き方に至るまで、さまざまなテーマで行っています。主には地域の公民館の講座や、学習センター、女性センター、家庭教育学級、保育園、幼稚園、小・中・高校や、PTAなどからが最も多く、育児サークルや地域の自治会、有志のグループという場合もあります。皆さんが活動されている勤務先や学校でも、もし「何か話しに来てほしい」ということがあれば、お気軽にご連絡ください。
 保育士、幼稚園教諭、看護師、保健師、教員など、対人援助職の方々のための研修、保育ボランティアの養成なども行っています。
 また、未就学児、親子、学童、思春期、成人向けとそれぞれに、さまざまなコミュニケーションプログラムを考案し、実践を行っています。豊かな感情を育て、自分自身の感情と共に、他者をも尊重できることを目的とする感情教育、暴力以外の方法で葛藤を乗り越えることを学ぶ、葛藤解決教育、暴力を許さない姿勢を育てる非暴力教育、ストレスについて知り、その対処法を暮らしの中に生かすストレスマネジメント教育などにも力を入れています。
 「FLC21・子育てナビシリーズ」と題した育児書も出版し、「今からでもできる人格の土台をつくる子育て」「子どもの叱り方」「子どもが被害にあったとき」の三作を、既に昨秋出版しています。今秋にはシリーズ4、5冊目の「ひとりっ子の育て方」「子どもにキレてしまいそうなとき」が出版されました。この後、「きょうだいの育て方」、「思春期の危機を乗り越える」「ジェンダーフリーの子育て」と、11冊まで続刊される予定です。
 「FLC21援助者ナビシリーズ」は、善意で始めたはずの援助が他者を傷つけたり、損なったりしてしまう問題に目を向け、援助者が基本的な知識やノウハウを身につけられるようにと、現在、「グループの理論と実践」「女性学入門」を出版しています。その他、さまざまな講座やワークショップなどを主宰しています。予防啓発部門へのご意見、ご質問などをお気軽にお寄せください。