スタッフエッセイ 2014年2月

そうだ、行ってみよう!

森葺a代

年が明けて、早いものでもう2月。梅の木も小さなつぼみをつけ、蝋梅(ろうばい)もその名の通り蝋のような薄黄色い花を咲かせ、心地よい甘い香りを漂わせている。霜が降りる寒い時期ではあるが、しかし季節はしっかりゆっくり春に向って進んでいる。

先月の1月25日、そうだ、行ってみよう!と思い立ち、奈良の新年を飾る若草山の山焼きに初めて行ってきた。わたしは実は、大阪生まれの大阪育ち。奈良の今の家に引っ越してきて早や21年になるが、若草山の山焼きがあることは知っていたが、毎年いつ行われるのかも知らぬままに月日が過ぎていたのだった。*平成21年から、例年1月の第4土曜日に行なわれている。

奈良の若草山は、いろんな場所から目にすることが出来る標高342mの山。3つの山が重なっていることから三笠山とも言われ、この若草山の山焼き行事の起源には諸説あり、「若草山頂にある前方後円墳の霊魂を鎮める祭礼である」や、「若草山一帯をめぐる春日大社・興福寺と東大寺の領地争いがもとである」という説や、「春の芽生えを良くするための原始的な野焼きの遺風を伝えたもの」という説もあるらしい。いずれにしても、若草山の山焼きの行事は、山全体を燃やすという古都奈良の新年を飾る炎の祭礼なのだ。

当日は以前から雨の予報だったが、私の祈りが通じ(?)雨は降らず、なんとこの日は珍しく最高気温が15.5度と3月下旬並みで、夜もダウンコートを脱ぐほどの暖かさだった。17:30、娘と娘の友達と近鉄奈良駅で待ち合わせると、駅前は多くの人でにぎわっていて、観光バスも沢山来ていた。奈良県庁前を通ると沢山の屋台が並んでいて、一段とテンションがあがる!目ざとく「名物こんにゃく」の看板を見つけ、熱々の「玉こんにゃく(1個おまけしてもらって三人で2つずつ食べた)」と、「串こんにゃく(ゆず味噌風味)」を食べた♪やはりおいしかった♪※奈良の手作りこんにゃくはオススメですよ!

こんにゃくを食べながら奈良県新公会堂横を通り、若草山の麓あたりまで登る。お〜、すごい人だかり!!般若心経が聞こえ、期待が高まる。18:15、目のまん前で豪華で大きな花火がどんどん上がる。翌日の新聞報道では800発とも1,000以上発とも。色彩といい、形大きさといい、さまざまな趣向を凝らした花火の数々。冬の花火は本当にきれい!迫力とその美しさに感動して涙が出た。そして18:30、地元の消防団員約300人がほら貝とラッパの合図にたいまつで山に火を付ける。徐々に風にあおられきれいなオレンジ色の炎が勢いを増す。山麓からは、山上に向かって駆け上がり燃え広がる炎の様子は見えないものの、炎の勢いとその温かさを感じこれまた感動!今年は、火の勢いはここ10年で最高に良かったらしく、20分もしないうちに斜面を焼き尽くしたという。

後日、感動覚めやらぬまま周囲の人に「山焼きを見てきてん♪」話すが、「へ〜、どうやった?」「いつやったん?」「どこから見られるん?」と、以外に奈良県民は見に行ったことがないことがわかる。娘の友達も桜井市の出身だが、初めて来たと言っていた。若草山は、近鉄電車に乗っている時に車窓から見えたりするからか、吉野の桜も同じで、地元の人はなにもわざわざ混んでるときに行かなくてもいつでもいける、と思うからか、ついつい見逃すのかもしれない。

でも、ぜひ行ってみよう!近場であんなにすばらしい花火が見られ、山を焼く炎の美しさに感動すると思う。毎年、見る場所を変えてみるのも楽しみになるのではないだろうか。
 そうだ!山焼きだけではなく、今年はこれまで行ったことがない奈良の伝統行事に行ってみよう!

(2014年1月)