スタッフエッセイ 2013年4月

懐かしい。

津村 薫

中途半端におたく体質なので、昔の映画やテレビドラマなど、繰り返して見た作品をよく覚えている。セリフまですらすら出てきてしまって、ちょっと気味悪がられることもあるが(笑)、どうしてこう、しょうもないところに私の記憶力は発揮されるのだろう。トホホ。

懐かしのドラマや映画をもう一度見たいと思い、最近はTSUTAYA DISCASのお世話になって、ネットで注文、ポストに返却という例のシステムで楽しんでいる。

四半世紀とかそれより前の懐かしいドラマだと、時代を感じる場面も多々。たとえばホテルのフロントが来客に「〇〇さんと会う約束してるんだけど、何号室?」と尋ねられ、「1005号室でございます」なんて宿泊客の部屋番号を教えていたり(笑)、学校が舞台のドラマでは、先生が職員室で普通に喫煙していたりして(笑)。

「そうそう、この場面あった、あった!」とわくわくを新たにしたり、昔とは違う感じ方をしたりする。自分自身の変化も面白い。もっと昔のドラマになってくると、リストにないので残念。もっと見たい作品がいろいろとあるのだけど。

そうそう、ネットが普及する前、入会していたサークルの冊子上で情報を求める頁があった。ドラマの一場面や歌詞の一部分で「これは何のドラマでしょうか」「この歌はご存知ですか」と投稿して聴いてみたことがある。

全国組織のサークルだったので在籍人数も多く、すべて誰かが回答してくれた。これは嬉しかった思い出。同じ立場の人が集うサークルだったこともあって、自分が忘れても、わからなくても「知ってるよ」と教えてくれる人がいる。仲間ってありがたいもんだなーとしみじみ思ったものだ。

ネットが普及したので、昔ちょっと好きだったけど、タイトルを忘れた歌や小説を検索して、また懐かしいものにたどり着いたりという体験もして、懐かしいものとまた巡り会える機会も増えたことが嬉しい。

先日はBSで映画『若草物語』の放映があるのに気づいて、思わず留守録。10代の頃、夢中で読んだ小説のひとつだ。映画で観たことはない。1949年の作品だというから、懐かしいどころか私は生まれていない時代の話だけど、末娘のエイミーがエリザベス・テイラーだとある。熟女のイメージが強い彼女の少女時代をまるで知らないので、興味津々。彼女の清楚な美しさにはっとさせられた。この頃から既にオーラが違う感じ。

隣のローリーくんは私のイメージとは違うけど、彼も好青年で良い感じだなーとか、気難し屋の親戚のおばさんも、こんなふうに描かれてるのか〜とか、自分の中の懐かしい『若草物語』のイメージと比べて楽しんだ。これからはどんな作品を楽しもうかな。インドア体質な私の楽しみのひとつ。

そして懐かしの歌。歌うことはストレス対処法としてもとても良いものだし、私自身、歌うことが好きだから、よく鼻歌も歌う。

ネットの動画サイトにはさまざまな名曲があるので、それを楽しむのもひとつだという話を講義の余談としてすることがある。

私より年上の方が多そうな場だと、「懐かしの名曲も結構、貼り付けてあるんですよ。“バスストップ”とか・・名曲ですよねえ」などと話したら、わかる方がウンウンと笑顔でうなずいてくださる、という場面がよくある。後で、「自分にとっての心の歌は〇〇です」と懐かしの歌を教えに来てくださる方もある。

懐かしの遊び、懐かしの場所、懐かしのおもちゃ、懐かしのアイドル、心が動くさまざまな、「懐かしい」。どれもこれも大切。私が歩いてきた道程だものね。

 

(2013年4月)