スタッフエッセイ 2012年12月

今年の年末に思うこと

前村よう子

12月は慌ただしい。それは今年に限ったことではなく、毎年実感することだが、今年は例年以上に慌ただしさを感じている方が多いのではなかろうか。

というのも、衆議院議員総選挙が実施されたからだ。任期がある参議院議員と違って、衆議院議員は、取りあえずの任期は設定されているものの、いつ内閣総辞職や衆議院解散による総選挙があるかが分からないので、議員をされている方々は気が休まらないだろうなと思う。

今回の選挙も、いきなりだった。しかも年末の12月16日が投票日。立候補者はもちろん、選挙に関わる多くの方々は、大変な日々だったのだろうと思う。実際、私たちの研究所でお引き受けした地方公共団体主催の仕事も、中止になったり、延期になったり、場所や時間が変更になる等があった。「選挙って、多くのことが動くんだな」と再認識もした。

さて、講師を務めている私立高校で、非常勤による忘年会が数日前あった。そこで話題になったある出来事がある。とある同僚が、早朝の出勤時、衆議院選の立候補者の街頭演説に出会ったらしい。立候補者は、道行く人に笑顔で「おはようございます。ご出勤、お疲れ様です」と声をかけている。

同僚もそうだったようだが、多くの人が、少し迷惑そうに眉をひそめて、チラシを受け取るのも拒絶するように、足早に候補者の前を立ち去ろうとしている中、一人の学生が大きな声で「おはようございます」と、その立候補者に挨拶をしていた姿を見たのだという。

「えっ」と驚いてその光景を見た同僚は、猛省したという。「いつから自分はこんな風に、『おはようございます』という挨拶をされているのに、それを無視するのが当たり前だと思い込むようになったのだろう」と。

その話を聞いて、私は違う意味で考えさせられた。きっと私なら、通勤時にそんな光景を見ても、そこまで考えが至らなかったろうなと。

いろんな場で、いろんな人と知り合って、いろんな考えに触れることの大切さを改めて実感した年末でもあった。

(2012年12月)