スタッフエッセイ 2012年8月

ストレスコーピング(対処法)

桑田道子

タイトなスケジュールを組んでしまったせいで、この暑いなか7〜8月と休日なく過ごした。そうすると、料理も掃除も手抜きが続き、気持ちの余裕もなくなって、特に何が起きてもないのに平常がイライラ状態であることに気づく。こんなバッドコンディションでは良い仕事にならない、何とかしなくっちゃ、と、ストレスコーピング(対処法)を取り入れようと考える。いま、私はどんな気分かな・・・と自分をメンテナンス。

忙しい時には睡眠が一番だが、なんだか何かをやりたい気分。

体を動かしたほうがいいかなと仕事の帰りにプールへ行ってみる。今はすっかり運動から遠ざかった生活だが、学生時代はバレー部で少々体育会系な私。子どもの頃にはスイミングの選手育成コースに入り、小中学ではそれぞれ1キロ、3キロの遠泳もこなしてきたので泳ぐのは得意(その名残が立派な肩幅という残念なことに)。

だけれども…、泳ぐのは気持ちいいけれどその前後がめんどくさい!化粧を落として、プールに入って、髪が濡れ、洗い物が増え、カルキ臭にじめっとした暑さに…、と前述のとおりバッドコンディションゆえ、考え方がネガティブになっていて余計に気分が落ち込む。まとまった時間が取れないので、どこかへおでかけ、というのも難しい。

ふと、手芸したいかも!とピーンとひらめく。
とはいえ、手芸なんてしたことないも同然。ボタンつけ以外に針と糸を触ったのは、高校の家庭科以来?!というような状況なのに、すっかりその気になって手芸屋さんへ寄り道。

合理的かつ貧乏性の私は、いざ手芸といっても実用的なものが出来上がらないと嫌なのだ。何が良さそうか、パラパラッと手芸本を見てみて、刺繍をしよう!と決めた。無地布に花のステッチをしてソファカバーだ!

まずは腕慣らしに、ビーズやスパングルのいわゆる「ビジュー」を服の襟口などにつけてみる。次に、ステッチの練習に化粧ポーチのキットを買ってみて、ステッチで柄を出してみることに。多色糸を使いながら柄がほぼ完成すると、次はビーズをつけてみたくなる。だんだん慣れてくると、色やビーズや図柄をどうしようかと考えるのが楽しくなってきて、オリジナルでステッチしてみたり。

刺繍は10分程度の隙間時間でやれることなのでコーピングにピッタリだ。また、進歩が目にみえてわかりやすく、出来上がりがすぐに実感できるうえ、「きれいね、かわいいね」と褒められるというオマケまでついてきて、気分が良い。

思いがけず、新たなコーピングを手に入れることができ、平常のイライラが随分改善されてきたように思う。ストレス対処法は、ちょっとした自分を労わってやれる方法をいろんな種類で(たとえば通学通勤途中の車内や、苦手な人と会わないといけない直前直後、眠いのに寝られない時など、様々な場面にあわせて選べるよう)たくさん持っているのが、ストレスとうまくつきあっていくコツである。

なんとなく敬遠していたことでも、「自分を幸せにするリスト」の一つに加えることができて、そのことも嬉しい。生活している限り、思い通りにいかないこと、時間に追われてキリキリしてくること、しっかり準備したつもりで失敗してしまうこと、とストレスを感じたり、ガッカリする場面は諸々あるが、自分をメンテナンスしながら、つきあっていきたい。

(2012年8月)