スタッフエッセイ 2012年4月

変われば、変わる。

津村 薫

女性ライフサイクル研究所開設から、はや22年。この歴史は、開設当初から在籍していた私自身の22年でもある。

ホームページでリレーエッセイを皆で書き始めて、はや9年。自分が書いたものを読み返すと「変化」について、時折触れている。

単純な理由だ。私ほど未熟で、女性ライフサイクル研究所で変化をした人間はいないということだと思う。他のスタッフだってここで学び、働き、変化を遂げていることに変わりないが、端的に言うなら、私のスタートラインが手前過ぎだろう!という話。

過去を思い出すと、あまりに未熟過ぎて顔から火が出そうだと言うと、近年では「えーっ」と驚いてくれる親切な人がいるので、これも私がそれなりに成長を見せた証であろうと思うことにする(笑)。

変化すること、それが生きること。では私はどう変化して、どう生きるのか。別に誰にも直接言われていないが、仕事をするということは、それを考えることだった。

女性ライフサイクル研究所は、自らが生きながら学び、働く場だったから。

どう変化したか。私の22年は、より良く生きながら仕事をするには、どんな思考、どんな行動がふさわしいのかを模索して優れた人を見習い、つまずきつつも自分でやってみて、それを自分自身の血肉にしてきた22年だったと思うのだ。

“アマチュアはできない言い訳を考える
 プロはできる方法を考える”

どこかで見つけた、こんな言葉にはっとさせられたことがあった。

プロやアマチュアの定義はさまざまで、そのイメージもまた画一ではないだろう。私にとってこの言葉は、「責任をとる仕事ができない人とそれをやる人」であり、有能な仕事をすることは後者であるというイメージだった。

プロとて失敗はある。もし間違えたら、言い訳しないで謝る。その改善のためにこそエネルギーを注ぎ、次回に活かす。そうありたいと考えた。

小さなことからコツコツと。どこかで聞いた言葉だが、まさにそんな思いで取り組む月日。私自身の良くない習慣、行動を良いものへと変えようとした日々。

“心が変われば行動が変わる
 行動が変われば習慣が変わる
 習慣が変われば人格が変わる
 人格が変われば運命が変わる
 運命が変われば人生が変わる”

と言ったのは、米国の哲学者ウイリアム・ジェームス。

ものすごく有能で羨ましいと思うような人たちは、きっとそんな積み重ねを黙々としてきたに違いない。たとえ秀でた能力を持っていたとしても、賢明に活かさなければ良い仕事にはならない。きっと魔法はない。私も言い訳せずに、至らないなりにやってみよう。

薄皮をはぐように「あっ、そうか」「そういう意味か」「こういう見方をする訳か」という気づきを繰り返して、現在がある。

仕事をすればするほど、自分自身の課題を感じることは変わらず。過去の自分自身は本当に未熟だったが、いま、自分なりに成熟したといはいえ、これはあくまで当人比(笑)。
やはり私はまだまだ未熟だ。ということは、まだ伸び代もあるということだろう。

不出来ながらも希望を見失わずにここまでやってきた根性だけは、自分でホメてやってもいいんじゃないかと思ったりする(笑)。

運命も人生も変わりましたなどと大きなことは言えない。でも少しずつ少しずつ何かを変えてきたことで、私自身に変化が訪れていたことは間違いないのだと思う。

この感謝を胸に丁寧に生きていくこと。良い人々と繋がり、良い仕事をしていくこと。そして、身につけたスキルで、社会に少しでもお返ししてゆければ。

(2012年4月)