スタッフエッセイ 2011年5月

ご飯の友

津村 薫

うーんと昔、たぶん私がまだ子ども時代ではなかったかと思う。ある有名なピアニストの発言を新聞で見つけた。「私も夫も無類のご飯好き。温かいご飯と生卵があれば、他には何も要りません」、多分こんな言葉だった。

おそらく、お米の普及推進などの広告記事だったのだろうと思う。タイトルが前述の言葉で、彼女がご飯について語るインタビュー記事が全面広告になっていた、そんな記憶がある。

なんで、こんな言葉をずっと覚えているのか。以前にもちらりと書いたことがあるけれど、私も小さい頃からお米が大好きだったからだ。大人になっておいしいパンにも目覚めたけれど、パンとご飯とどっち?と聞かれたら間髪入れずに「ご飯!」と叫ぶ子どもだった。

娘が私に似たのか、ご飯大好きな子に育ち、社会人になった今も、朝からしっからご飯を食べて出勤するのだという。

さて、私も「無類のご飯好き」だから、あつあつのご飯があれば大満足。でも、ご飯といえば、「ご飯の友」だよね。これを語り出したら止まらない(笑)。

やっぱり、件のピアニストではないけれど、生卵に醤油を落としたもの。これは絶品だ。私はいわゆる「ねこまんま」と呼ばれるご飯の食べ方が好きかもしれない。

納豆に生卵を入れて醤油を落とし、刻んだオクラと瓶詰めのなめ茸を入れてご飯にかけるというのも好物だが、「どんだけネバネバづくしやねん」と家族に突っ込まれたことがある。

海苔もいい(関西なので絶対に、味付海苔!笑)。海苔の佃煮も好きだ。それに明太子。これも大好物。 

漬物も大好き。母の糠漬けは今も時々食べたくなって、お正月などに、「いま、糠床に何か漬かってる?」と聞くが、姉も聞いているから笑ってしまう(笑)。

友人が手作りして差し入れてくれたゴーヤの佃煮というのがとてもおいしくて、これはご飯が進んだ。それに塩昆布や沢庵でのお茶漬け。嗚呼、幸せ(笑)。

沖縄では豚味噌というのがご飯にとっても合うので、とても気に入っている。自分で作る甘い肉そぼろも、なかなかのものだと自画自賛(笑)。

こんなエッセイを書いていたら、ご飯が食べたくなってきた。炊きたてのご飯をふうふういいながら頬張る。幸せだなあ。

あなたのご飯の友は何ですか?

(2011年5月)