スタッフエッセイ 2010年10月

羽ばたけむすめ!

森葺a代

この秋、娘は大学の交換留学生として留学した。わたしからは距離はもちろん、言葉も文化も、何もかもが遠い遠い未知の世界、“チェコ共和国”へ。

半年間の留学が決まると同時に、一年間の留年も決まり、海外の怖さも知っている父親である夫は、いろんな理由から猛反対。しかしむすめは、下宿を出る手配から留学に関する手続きを、時に人の助けを借りながらちゃんとやってのけ、自分自身の中の不安も含め、目の前に立ちはだかる壁を乗り越え、見事にチェコ共和国に行きついた。

しかし、間際になって寮に入れないことが判明し、仮の住処を探すうち(インターネットの情報はすごい!)、なぜかまた寮に入れることになったり・・・。かわいいむすめの行く末を案じ、夫は怒り心頭。そんな夫を横目で見ながら、わたしも不安や心配がてんこ盛りで、頭の中がもうてんやわんや・・・。といっても、実際わたしは何もすることが無い。ただ、「気持ちの落ち着かない日々を過ごした」というだけだ(笑)。

当日は大きなスーツケースに、大きく恐ろしく重いリュックを背たらい、パソコン、カメラ2つ、ケイタイ3つ(iphone含む)などの入ったこれまた重いかばんを斜めがけにし、手には三味線の入ったアタッシュケースを持ち、多分、胸にも期待と不安を思いっきり詰め込んで、いざ出発!

しかし搭乗手続きの際、荷物が重すぎてその場で荷物を減らす。三味線は、なんとか手荷物で機内持ち込みが許され安堵したが、親子して安堵しすぎて搭乗時刻を思い違い(汗)。方向音痴のむすめは、手荷物検査のゲートを越えたところから、ひとり右往左往している!ひぇ〜だいじょうぶか!?

便利な世の中、ケイタイからの実況中継で、なんとか飛行機に乗れたことを知る。到着後は、ケイタイからの国際電話でトランジットも無事にこなし、チェコに着いたと。なんだか世界は狭い。が、ほっとするもの束の間、やっと入れることになった寮には入らず、交換留学生として日本に来ていた女の子と、ゲイのカップルと4人でルームシェアをすると言い出す。「自分がいいと思ったら、いいよ」相談されそう答えた。安心してそう答えられるようになった。

大学生になり、なじみのない北陸の雪国で1人暮らしをはじめたむすめ。しかしたくさんの人と出会い、いままでしたこともない畑を耕し野菜を育てたり、ボート部に入りボートをこいだり、自転車で北陸を1周したり、驚くことに四股名(しこな)まで持っている(何ゆえ?)。いろんなことに悩み、苦しみながらも自分の人生を楽しんでいる。これからも悩み迷うこともあるだろうけれど、自分を信じ、人とのかかわりの中で、一段と成長することだろう。

羽ばたけむすめ!

(2010年10月)