スタッフエッセイ 2010年8月

夏食

桑田道子

暑い!熱い!あつーい!こうも毎日暑いと食欲が…落ちることもなく、日々しっかり食べている。が、さすがに気がつくと麺ものばかり食べている。火の前に立つのが面倒というのもある。

この頃の好みは、ぶっかけそうめん。トマトや卵、ツナ、オリーブ、刻んだハムやウインナー、きゅうりやレタス等々、なんでもいいので家にあるものを具にして冷麺のように、そうめんの上にたっぷりのせ、ねぎやみょうがの薬味ものせて、つゆをそのままかけて食べる。

炭水化物だけでは栄養素的にも心配なところ。タンパク質や少々の脂質、野菜からビタミンを採ることができ、いいんじゃないかと思っている。冷やしうどんや冷やしラーメン、蕎麦もいいが、今のところそうめんが一番食べやすくて、とてもお手軽で気に入っている。

食欲はあるといいつつも暑さに多少やられてしまって、のどごしがいいものを求めるのかなとも思うが、もうひとつ、暑くなると欲しくなるものに「辛いもの」がある。

中華の麻婆(マーボー)や、韓国のキムチ、タイカレーにベトナムのヌクチャム…と唐辛子をつかったおいしい食べ物がアジアにはたくさんあり、日本でもエスニック料理は人気である。暑いときに熱辛いものが食べたくなるのも妙な感じがするが、カーッと体中熱くなりながら汗をかくけれど、不快ではなく、元気が出るような気がする。カプサイシンの発汗作用は肌にも良さそうだし、ビタミンAとCが豊富で夏バテ防止にも良いとされている。胃腸の弱い人には刺激が強すぎるらしいのと、一部発ガン性のことも耳にするので、過剰摂取には気をつけないといけないが。

唐辛子もいろいろな種があり、有名なハバネロや辛さがギネスブックにも載っているというブットジョロキア、カイエンペッパー、香辛料だけでなくそのまま食べて美味しい日本の伝統野菜の万願寺唐辛子もひとつだ。

フランスで教えてもらったアリサという唐辛子のペーストも、何にでも使え、とても美味しい。唐辛子といえばタバスコソースも馴染みがあるが、実は私はタバスコが酸っぱくて苦手なため、我が家ではもっぱらアリサか豆板醤か一味・七味を使う。アリサは蒸してすりつぶした唐辛子に、にんにくやクミン、コリアンダーが混ざっているペーストで、カッと辛いがスーッと辛味が抜けていく。オリーブオイルに溶いてソースにしたり、スープに混ぜたりしている。以前は、カレーを作るとなると大鍋で2、3日食べられる程たくさん作っていたが、この頃はグリーンカレーなどを気分と調子にあわせてココナッツミルクで辛さを調節して小鍋で作っている。

外食すると、唐辛子やホットソースを使った料理で「×50」や「×100」と書いて辛さを表しているもの見かけることがある。先日お店でどうやって決めているのかを聞いてみて、初めて知ったことがあった。辛さの単位を表すものは「スコヴィル値」というらしく、「カプサイシンの辛さが舌で感じられなくなるには、何倍の水で薄めればいいか」を表すそうだ。聞けば、へーそうなんだで終わる話なのだが、辛さが消える方にベクトルが向いているのが新鮮だ。

食べる以外にも、赤唐辛子は菜園の害虫除けにもなる。ハーブや野菜に虫が襲来しガックリくることがある。たった一日でしその葉が穴だらけになっていたり、なすに貫通した穴をみつけたりするが農薬を使いたくない場合、唐辛子スプレーがよく効く。焼酎に唐辛子をつけ、唐辛子の色が抜け、実の部分がフクフクと膨らんできた頃(1、2週間位)、水で薄めて、スプレーする。うちでは葉を食べまくる蛾の幼虫予防などに役立っている。

まだまだ夏は続くが、暑さに負けず、身体が欲しているものにも耳を傾けて、この夏も元気に過ごそう!

(2010年8月)