スタッフエッセイ 2010年6月

やんちゃで 甘えん坊な 子どもたち

前村よう子

ここ6年間は、一つの学校でじっくりと非常勤講師を務めてきたが、この4月からはご縁があって、もう一つの学校でも非常勤講師を務めることとなった。しかも、新しい学校では「情報科」という教科を担当することとなった。

「情報科」というのは比較的新しい教科だ。内容はパソコンを用いて文章を作成したり、表計算をしたり、プレゼンをしたり、ビデオ作品を作ったり、簡単なゲームをプログラミングしたりと多彩である。学校によって、担当教師によって、そのカリキュラムも大きく変わる。

私の本職(?)は政治経済や倫理・日本史・世界史などの社会科である。情報科とは縁遠い教科を日々担当してきた。実際、情報科を担当する教員は、数学科や理科、家庭科担当教員が多い。情報科の免許しか持っていない教員の方が少ないようだ。数年前、仏教大学の通信制で一年間学び(ほとんど毎月、数種のレポートを提出し、科目最終試験を受け、また夏休みには一週間、早朝から夕方までギッシリのカリキュラムをスクーリングとして受講)、情報科教員免許を取得した。

取得はしたものの、実際に情報科を教える機会なくここまで来たので、4月からの授業は、私にとっては「on the job training」でもあり、日々、学び続けている。もちろん、社会科を担当している時も学びの日々だが、学びの度合いが違う。

さて、そんな学びの日々を共にする生徒たちは、これまたユニークである。元々、工業系の学校、つまり男子校だったところへ、女子を受け入れ始め、普通科、工業科、スポーツ科が揃っているということもあり、どちらかというと、やんちゃな生徒が多い。男子の腰パン姿は当たり前で、腰パンどころか、足の付け根にベルト位置がくるまでズボンを下ろしている強者も多い。歩いているうちに、ズボンが落ちたりしないのだろうかと、その姿を見る度に私は心配になる。

そんなやんちゃな生徒たちだが、そのほとんどが甘えん坊な側面を持っていることに最近気付いた。無防備であり、人懐っこい一面を見せ始めた。聞けば、この学校に入るまで、親や教師に良い意味でも悪い意味でも注目されずに来た子どもたちが多いようで、この学校で初めて誰かに構ってもらえる経験をしているらしい。

大人が、しかもよからぬ事を考えている大人が、こういう子どもたちをだまして利用するなんて簡単じゃないか、せめて利用されない人に育ってもらいたい、そういう気持ちを込めて、授業を通して、休み時間を通して、生徒たちに接するようになった。あと一ヶ月ほどで夏休み。どうか生徒たちが、この夏休みを無事に乗り切ってくれますようにと願わずにはいられない。

(2010年6月)