スタッフエッセイ 2009年12月

ふらりと立ち寄るのは、どこ?

津村 薫

ばたばたと忙しく仕事三昧の毎日を送っているようでいて、少し時間が空くことも、たまにある。次の講演までにちょっと時間的にゆとりがあるとか、早くに講演が終わって、帰宅までに、少しほっとする時間を持つことができる、そんな時があるのだ。

そんな時間に、ふらりと立ち寄りたくなるところが、いくつかある。思い出すのは、もうかなり以前のことだが、先輩ワーキングマザーの言葉。あまりに多忙だったり、つらいことがあったりした日で、時間が許す日には、喫茶店でお茶を飲むことにしていたと聞いた。そこでクールダウンして、「さーて、ここからはママするぞ!」と、ビジネスモードからママモードへと、気持ちを切り換えていたのだとか。それは、ふらりと・・・というよりは意識的な行動だから、「ふらり」な私の場合とは違うが、オンとオフの切り換えという意味で、似ているかもしれない。私は足の向くまま、気の向くままレベルに、直感で動くのだけど、「少しゆとりがある時、何をするか、どこに寄るか?」は人によって随分と違うのかもしれない。

私が好きなのは、実に平凡なものばかり。まずは、書店。普段、書店に行く暇はないので、ネットで購入しているが、行く時間が確保できると、「何があるかな?」とわくわく。いつも覗くコーナーは決まっているけど、書店によって置いてある本に個性があり、楽しい。「うわー、これもこれもこれも読みたい!」と思うことがよくあり、「ここからここまで全部ください」という大人買いを一度してみたいと思う(笑)。「1日そこにいなさい」と言われても全然大丈夫なくらい、大好きだ。

喫茶店で、ひとりのんびりお茶を飲むのも好き。といっても、時間が空いて、気持ちが求めているなと思う時に限られるので、よく考えると、そう頻繁に行っている訳ではないのだけれど、ふらふらーと行きたくなる時がある。紅茶党の私は、紅茶がおいしい店が見つかると、ご機嫌だ。温かい紅茶を飲んだり、たまーにスイーツも食べたり。講演前は、決して満腹になれないが(頭が回らなくなる感もあるし、何より苦しくて、思うように口まで回らない感もある)、終了後はかなり空腹感を覚えることがあり、食事しちゃったこともあるな(笑)。

そして、ドラッグストアとか雑貨屋。あれこれと小物を見ることは楽しい。「へえー、こんな商品が出てるのか」と面白い発見があったりする。ハンカチ、化粧品、文具、アクセサリー、帽子や傘、冬場だと耳あてとか手袋まであって、アイデア商品なども見つけたりして、結構楽しめる。

コンビニも、わりと好きだ。一番好きな商品は、飴(笑)。さすがに大阪のおばちゃんと言われそうだけど、コンビニには、飴の新商品がよく出ていて、バラエティに富んだ品揃えがあるので楽しい。先日は、「デコポンとマスカット味の、のど飴」(ライオン菓子株式会社)をゲット。この会社の製品は前から好きで、「巨峰と幸水(梨)味の、のど飴」は私のお気に入りだ。喉のケアにはかなり気を遣う私にとって、のど飴は不可欠(声が枯れたら致命的)。それでも、真剣に探すというより、面白い出会いがあるといいなーと、ふらりと行く感じ。

それから、デパートが近くにあると、覗きたくなるのは、和洋食器や調理器具など、リビング用品のフロア。鞄や靴、洋服なども、もちろん好きなんだけど、なぜか先にそのフロアに行きたくなるのが、自分でも面白い。家具などを見るのも、楽しい。

それから、水のそばに行きたくなるのは、私らしいかな?海が一番大好きだけど、池でも、川でも、湖でも、水があれば大満足。生き物も好きなので、動物園と水族館は大好き。そばにあると、行きたくてうずうずするくらい(笑)。

「ふらりと、どこかに立ち寄ること」。好きなものに囲まれてほっこりしよう、好きな何かと出会えればいいなーという、ぼんやり、まったりした行動だけど、これが私の「ストレスコーピング」でもあるのだろう。ビジネスモードを緩めることが目的になっていると思うので、あんまり、必死にやらないのがポイントかな(笑)。

ふと時間が空いた時、あなたは、どこにふらりと立ち寄りたくなりますか?

(2009年12月)