スタッフエッセイ 2008年10月

おしゃれを楽しむ

村本邦子

 めったに掃除をしない私だが(嫌いとか苦手とかいう意識はないのだけど、どうしても生活の中での優先順位が低い・・・)、なぜか衣替えはこまめにやる。着る物のことを考えるのは大好きで、日本文化の趣ある季節感を重視している(桜の柄の着物は、桜が咲く前のほんの一時期だけしか着ないといった)。「○○の時は、××を着ようっと!」と思っていても、こう不規則に季節が変わると、なかなか計画通りにいかない。それでも、いよいよ秋物の出番だ。

 しかも、先週は雨の日続き。これが嬉しかった。春に、とってもおしゃれな黒いレインブーツを買ったのだけど、はく機会がなかった。月曜は毎週泊りなので、ひどい雨に長靴をはいて行って、火曜に晴れたりなんかすると、興ざめなので、晴れても堂々とはいていれるおしゃれなレインブーツを長く探し求めていた。なかなかなかったが、ついに見つけたのだ。それに、これも長年探し求め、やっと去年、出会えたお気に入りのレインコート。きれいなパープル。これらに身を包み、ルンルン気分で出勤した。お気に入りの雨の日グッズがあると、雨の日が楽しみになる。今のところ、超お気に入りの傘はまだないので、電撃的な出会いを期待しているところだ。

 面接で話を聞いていると、女性たちのなかには、「おしゃれに気を配るのは良いことだ」という価値観と、「おしゃれのことに気をとられているのは恥ずかしく良くないことだ」という価値観があることに気づく。だいたいは、小さい頃に母親や父親から刷り込まれた女性性に関わる価値観だ。私にとっては、良いも悪いもなく、自分が楽しければやったらいいし、面倒くさかったらやめたらいいというだけのこと。その昔、フェミニストの集会で、「屈辱に震えながら、毎朝、口紅を引く」という女性の発言を聞いて、驚いたことがある。私自身、若い頃は、めったにお化粧をしなかったが(第一に面倒だったし、濃い顔立ちなので、ちょっとしただけでかなりケバくなっていたため)、最近は、結構、お化粧も楽しんでいる。年を取って、顔色が悪く暗く見えるが、ちょっと色をさすと華やいだ気分になる。
 
 年齢とともに服装の好みもちょっとずつ変化してるかな。相変わらず、華やかでかわいいものが好きだけど、無地を選ぶことが増えた(昔は絶対に上下無地ということはあり得なかった)。アクセサリーをつけるようになったからだと思う。きれいな色の石物がいい(妹夫婦がジュエリーショップをやってるし)。それに、スーツを着る機会が増えたかも。それでも、相変わらず、「まったく普通」のは避けている。先日、明るいブルーのセーターを買ったが、「これだけだとちょっと地味だから華やかなスカーフでもしないとね!」と言って、お店の人に笑われた。私が地味だと感じていても、外目には派手ということがある。

 もうひとつ、今年、パープルの毛糸のマントを買った。早く寒くな〜れ!もともと、ケープやポンチョ類が好きなので、集めているが、ここ数年、流行り気味なんじゃないだろうか。よく見かける気がする。そう言えば、二十数年前に愛用していた黒のマントを長く使っていない。今年は出番があるか!?ン十年前の服まで捨てずに取ってある私。掃除ができないはずだ・・・。と言っても、最近では娘が歓迎してもらってくれる。我が身だけでなく、家のおしゃれも楽しめるようになったらいいのだけど、家にいる時間が短すぎるんだよね〜(老後は、着なくなったプリント柄の服の数々でパッチワークを楽しむ計画がある)。

(2008年10月)