スタッフエッセイ 2008年7月

ITM革命

桑田道子

 最近、といっても数ヶ月前になるが、携帯音楽プレーヤーを購入した。色やデザインもとても気に入っている!小学生のときにお年玉を貯めて買ったポータブルCDプレーヤー以来、録音できる(今から思えばかなり大きな)携帯MDプレーヤー、再生のみのコンパクトな携帯MDプレーヤーと買い換えていたが、それから約10年ほど携帯音楽プレーヤーを持っていなかった。数年前、知人が胸元にクリップのようにつけて聴いていたのを見て、随分小さくなったんだなぁとは思いつつも、欲しいとは思わず手が伸びなかった。それはきっと車に乗るようになったから。

 けれども、このところ電車にもよく乗るし、語学の勉強を再開したいとも思っていたので、買ってみることにした。ら、あまりにも機能が発達していることに驚いた。とても小さくて、操作もシンプル。曲数もかなり入るので、「ノリノリ元気に頑張るための曲」「ゆったりヒーリング調」「語学用に本の朗読」「語学用に映画1本」「好きなアーティストの私が選んだベスト版」といろいろなアルバムを入れておいて気分や場所にあわせて聴いている。

 そして、なんといっても歩くのが楽しみになった。この季節、かなり時間を選ばないと少し歩いてもあっという間に汗だくになって、いい気になって歩いてると頬はまっかになって化粧は崩れ、次の仕事に差し支えるが、FMも聴けるので、地下鉄3つ分くらいの移動はなんてことない。FLC近辺は老若男女問わず自転車ライダーが多いので、音に夢中になっていては危険だけれど…。

 掃除時間にもとても重宝している。ポケットに入れても全然重くないので、あっちこっちを移動しながら掃除してまわるときには、ずっと好きな音楽をかけながら気分良く掃除をこなしている(これは私があまり掃除が好きではないからかも)。

 しかも、とうとうCDを買わずに、パソコンでダウンロードして、新譜を手に入れるなんてことまでやってしまった!映像・画像関係など、一般に大きなメモリが必要なことは私には難易度高だと手を出さずにきたが、「家にいながらにして手軽に手に入れられる」と、まさに宣伝文句に同調せざるをえない、とても便利なお買い物だ。遅まきながら、私のITM(情報技術音楽)革命はなかなか順調に歩を進めている。

 ただ、不思議なことにそんなに便利に手に入るにもかかわらず、CDで欲しいものもあった。CDなら特典がついてくるというわけでもなく、CDを一旦パソコンに取り込む余計な作業が増えるのに、なぜかなんとなくダウンロードで済ますのは抵抗があって…これは、アナログのよさも忘れてない、というかダウンロードでお手軽に済ませると、新しいCDを買ったときのワクワク気分、発売日を楽しみに待ち、手に入ったCDの開け難いフィルムをピリピリと破いてプレーヤーにセットして、付録の写真や歌詞を見ながらじっくり曲を味わう、そんな時間が損なわれているような気がしているのかもしれない。

 地デジやICカードや多機能携帯、、、ザッと見渡しても新しい、ハイテクなものが様々目に入る。ウワサのiPhoneも然り。私はそれほど機械に不慣れなつもりではないけれど、それでも乗り慣れない電車の切符を買うのも難しいと思ったりすることもある。日常生活に浸透しつつある新しいものはたくさんあるけれど、無機質なものにのみ込まれず、心の振動も十分に感じながら、上手に利用していきたいなと思う。

(2008年7月)