スタッフエッセイ 2008年6月

スピリチュアルな経験?

安田裕子

 豊かな深い緑に囲まれ、美しい夜景を背景にした、国際色豊かな豪華ホテル。ロビーには光のプリズム、ふかふかの絨毯。サービス精神旺盛のそつのないホテルマン。上質のアメニティグッズが揃った部屋。夕食には、日本料理とワイン。食後、ジェットバスでリラックス。ふかふかのバスタオル、ふわふわのベッド。充分な睡眠。目覚めの朝風呂。弟夫婦と合流し、展望の開けたホテルの高層階で、優雅な朝食。家族での談笑。結婚式への参列、むすびの儀式。披露宴での、あふれる笑顔、喜びの声。

 優雅で豪華で贅沢なひとときを堪能させていただいた。毎日の生活から離れ、心身ともに心地よい時空間。満ち足りた想い。とっても素敵な、スピリチュアルな経験。

 先日、スピリチュアリティに関する講演会を聴講した。『スピリチュアリティ』ということば、う〜ん、用い方、あってる?

 『スピリチュアリティ』は、最近、社会でブームになっていることばのひとつである。フリー百科事典ウィキペディアによると、「霊魂などの超自然的存在との見えないつながりを信じるまたは感じることに基づく、思想や実践の総称である」という。

 スピリチュアリティに関する心理学の面からの取り組みのひとつとしては、トランスパーソナル心理学がある。トランスパーソナル心理学とは、1960年代に展開しはじめた心理学の新しい潮流で、行動主義心理学、精神分析、人間性心理学に続く第四の心理学である。人間性心理学における自己超越の概念をさらに発展させたもので、人間の究極的な目的とは、自己を越えた何ものかに統合されることである、とされている。

 自己に閉じることのない、他者や社会や世界とのつながりを感じるような究極の至高経験を、スピリチュアリティと表現するのなら、やはり、使い方が違うのかもしれないな。自己満足的・自己完結的な部分も、沢山あったから。スピリチュアリティの定義。スピリチュアリティということばが、社会的なブームにのって、本来の意味を逸脱してさまざまに用いられていることへの懸念を軸に、講演会でも、議論になったことではある。

 いやいや〜。でも、実際に心が洗われ、開かれた気持ちになったのだから、そう表現してもいいかな。自分が感じたことを、ことばの概念との絡みで、敢えて否定することもないよね。経験は、当の本人が感じてこそ、意味あるものとして立ち上がってくる。自分にとってよい経験は、きっと今後の豊かな土壌となっていく。

 うん、そうそう。きっと、スピリチュアルな経験♪ 素敵な時間を過ごすことができたことに感謝して、ハイ、またがんばっていきたいとおもいます。

(2008年6月)