スタッフエッセイ 2008年2月

ワクワクそして感動する日々

前村よう子

 昨日(2月23日)、大阪樟蔭女子大学の関屋キャンパスで実施された「男性の子育てを考える」というシンポジウムに、パネリストの一人として参加した。「パパ検定」で著名なNPO法人Fathering Japan代表理事の安藤哲也氏による基調講演の後、同志社大学の准教授である中村艶子氏はワークライフバランスと企業CSRについて、ダスキンの伊東孝氏は男性として会社で初めて育児休暇を8ヶ月間取得された体験について、そして私は、女性から見た男性の子育てについて話し、その後、フロアとの活発な質疑応答と続いた。

 このシンポジウムを一番楽しみにしていたのは、私かもしれないと思う。3児の父である安藤氏は奈良で起こった痛ましい自宅放火事件をきっかけに安定した仕事を辞め、NPOを立ち上げ父親の子育てを中心に活動されているという。貧しくとも苦しくとも自身が良いと思ったことに力を注ぐという感じではなく、肩の力を抜いて楽しみながら、これまで培ってこられた営業力も活かし、上手く企業に働きかけならがの活動で、お話を聞いているだけでワクワクさせられた。ご自身の子育てについても、第一子(長女)にはまだ乳児の頃から小学校入学まで、毎晩2冊ずつ絵本の読み聞かせをされたという。「彼女は絵本を読まない男を夫には選ばないだろうと思う。なぜなら、彼女には、絵本を読むのはお父さんという刷り込みができているから」・・・確かに。お弁当作りもされたそうで「子どもの空になったお弁当箱を見る時の喜びは、難攻不落のクライアント(顧客)を落とした時の喜び以上だった」と。この喜びを多くのパパ達に知ってほしいという。子育ても仕事も活動も、こんなに楽しんでおられるのを感じるからこそ、安藤氏の話を聴いているとこちらも元気をもらえる。

 中村氏は豊富な資料に裏付けられた話をされた。もう本年度の授業は終了近いが、来年度の授業に是非使いたい資料ばかりで、有り難かった。特に印象に残ったのは、男女の固定的役割分担についての国際的比較だった。日本と欧米を比べると、「夫は外で働き、妻は過程を守るべき」に対して、日本は賛成が45%、欧米は2割以下というのは今までもよく目にしていたが、びっくりしたのは韓国の数字だった。賛成は、17%以下でアメリカやドイツより少ない。同じ儒教的な考え方の浸透している国である韓国でなぜ役割分担を肯定する数が少ないのか。この謎を探るのは、面白そうだ。これもワクワクさせられた時間だった。

 伊東氏は、育児休暇を取得された時のこと、振り返っての反省点やこれから育児休暇を取りたいと思っている男性向けに様々な示唆のある話をされた。ごくごく普通のサラリーマンが育児休暇を取得することは、大変さだけではなく、それを人生を見直すラストチャンスと捉え、自身のスキルアップに活かしたり、結果的に会社に多くのものを還元したりできるというメリットもあるという。これまたワクワクさせられた。

 さてシンポジウムの前日、勤務校の生徒自治会主催による「3年生お別れ会」が実施された。たまたま授業が無かったので、13時の開始から16時半の終了まで参加したが、20分に一度は涙を流す感動的なお別れ会だった。バトン部やダンス部、体操部、軽音楽部、フォークソング部などの後輩たちによる出し物が次々と繰り出され、それが終わる度に後輩たちから3年生に様々な言葉が贈られる。中には3年生による出し物もあり、この時には、教員や後輩への感謝の言葉が出てくる。タオルとティッシュ無しではいられないくらい泣かされた。学校という場所は、こういう感動的な場面を日々見せてもらえる場所でもある。だからこそ、私はこの仕事を辞められないんだなと感じる。

 これからもワクワク感動する心を大切に仕事を続けていけるといいなと思う今日この頃だ。

(2008年2月)