スタッフエッセイ 2007年9月

皆既月食

くぼた ようこ

 夏休みが終わる頃、皆既月食を楽しんだ。
保育園のママ友達から、皆既月食が何時にどの方角に見え、何時に満ち始めて満月になるなどを細かく書いたメールをもらっていた。だけど、天気予報では関西では見られないだろうとのこと。当日は朝から雨が降り、昼からも雲が厚かったので、半ば諦めていた。しかし、夕方になると雲が切れ始めて、日が差しだした。夕食をつくりながら、時々外に出ては空を見上げていたが、雲に覆われて月は見えない。7時過ぎに、もう一度と思って見に行くと、雲の切れ間に赤銅色に輝く皆既月食が見えた!子どもたちを呼んで、みんなで眺めた後、「今見えてるよ。感動!」と友達にメールを送ると、「うんうん見えるね。感動を共有できたことも嬉しい!」と返事が返ってきた。

 しばらくして、月はまた雲に覆われた。夕食を食べ終わり家事も一段落した9時過ぎに空を見上げると、金色の半分のお月様が見えた。雲も大分薄くなっている。子どもたちと外に出て、デッキに座ったり寝そべったり、時々写真を撮ったりながら、満ちていく月を眺めて楽しんだ。30分ほど時間をかけて、月はゆっくりと丸くなっていった。

 皆既月食が見られたのは教えてくれた友達のおかげ、「ありがとう!」とメールすると「一緒に宇宙規模のひとときを堪能して頂いてありがとう。とてもロマンチックで恋人気分を味合わせてもらったよ!」と返事が返ってきた。

 友達が教えてくれなければ、多分ちょっと空を見上げて、今日は曇りだから無理だとすぐに諦めただろうと思う。子どもたちがいなければ、30分も月食を見上げていることもなかっただろうと思う。教えてくれた友達、そして感動を共有できる子どもたちがいたからこそ、何度も見上げた空、そして出会えた皆既月食、そして共有できた感動。悲しみも悔しさも腹立ちも、そして喜びも感動も、誰かと分かち合えること、分かち合ってくれる人がいることは、素敵なことだなぁと思う。
 次の皆既月食は3年後。今度はどんな気持ちでお月様を眺め、誰と感動を分かち合っているだろうか。

(2007年9月)