スタッフエッセイ 2007年8月

体のモニタリング

津村 薫

 参加している研究会では、その始まりで必ず、「体のモニタリング」をする。自分の体の状態をチェックしてみるのだ。これは私にとって新鮮な体験だった。目を閉じて、自分の体に注目してみると、不思議。目を開いてばたばた動いている時には見えない、自分の体の状態が、もっとじっくり感じられるのだ。

 もともと身体感覚が鈍い私だから、余計に強烈な体験だったのだろう。「そうか、体って、こんなふうに注目して、大事にしてやることが必要なんだなあ」「体の声を聴くって、こういうことなんだなあ」と、しみじみ感じたものだ。

 そうして思ったのが、整骨院のこと。仕事場のすぐ近くにある整骨院を、他のスタッフもよく利用していて、私もよくお世話になっている。スタッフは、体のことについて、とても詳しい。体のメカニズムについて質問すると、聞いたことのないような筋肉の名前が出てきたり、「ここが痛むのは、ここが鈍っているから」とか、「ここを酷使すると、ここが痛む」「こういう運動をすると、ここの凝りが軽減する」などと教えてくれたりする。

 マッサージをしてもらっていると、「ああ、私はここが本当にきつかったんだな」「うわー、こんなに凝っていたんだ」「それでしんどかったんだ」と気づくことも多く、マッサージをしてもらうだけの場ではなく、自分自身が体のモニタリングができる場でもあるのだと感じる。

めまい体質の私は、平衡感覚も人よりかなり悪いし、普通の人が難なくできるのに、自分はできない、ということが、たまにある。最近、さまざまなショッピングセンターやスーパーのレジで、「○○会員カードはお持ちですか?」と精算の度に尋ねられる。持っている場合は素早く出すが、「いいえ」と強く首を振ると、「あっ、目が回る」とビクッとすることが何度かあった。小さすぎる話だが(笑)、疲れている時には要注意だ。これは最近、首を振らずに、言葉だけで返事をするように心がけている(笑)。

 最近トライしているビリーズブートキャンプでもそうだが、頭を動かすエクササイズをすると目が回るので、その時だけは、スクワットをしてみたり、腕を回してみたり、頭を動かさないエクササイズに自主的に変更している。

かといって、特に病弱でもないし、単に体質的な問題だ。よく自覚して、弱点に気をつければ、他の人と何ら変わりない生活を送れる。細心に配慮して大胆に行動する方法に気づけば、苦痛でも何でもない。きっと、多くの人が同様に、自分の弱点を上手にカバーして生きているのだろう。

 たとえば、膝と腰の弱さ。長時間、直立不動で講義をしていると、膝に負担がくる。椅子に座ると、しばらくは必死に膝をさする(笑)。腰は、「加齢と共に腰痛が持病になるタイプ」と過去に医師に言われたことがある。少し気をつけて大事にしてやらないといけない部分だ。

 長時間の場合は、人知れず休憩時間に屈伸をしたり、自分でできる程度に膝をマッサージして、できるだけ膝の負担を減らす。毎日、腰痛体操をする。姿勢を良くする。こまめに気をつけると、大きくつまずかなくて済み、結局は自分が楽だ。

 今年の年明けからは、体脂肪率の高さを何とかして、健康体になりたいと運動を始めたのだが、少しずつ成果が出てきて、とても嬉しい。体が軽くなってきたり、動きやすかったり、体が喜んでいるような感じがするのだ。体を動かすこと自体も、とても楽しい。膝や腰も、少しずつ強くなってきているように思う。腰痛を起こして苦しむ回数は間違いなく減っている。上手につきあいつつ鍛える方法は、どうやら私に合っているようだ。

 最近、嬉しかったのは、整骨院の人に、「運動している足になっていますね」と誉められたこと。年明けから8ヶ月、ようやく変化が出てきたか?仕事場のスタッフにも、「何かすっきりした感じ」「小さくなった?」(体重が減った分、小さく見えるのか?)と言われるようになった。

 体に注目してみることで、鈍かった身体感覚も、少しは良くなってきているのかもしれない。まだまだ仲良くおつきあいしていきたいから、大事にしなくちゃね。

(2007年8月)