スタッフエッセイ 2007年1月

ライフステージの幕間で

窪田 容子

新しい年が明けた。
今年はどんな1年になるだろうか。

11年前のこの頃、第一子を身ごもった。
以来、妊娠しているか3才以下の子どもがいるという生活を続けた11年。
朝に夕に、保育園に通い続けた10年。
末子がもうすぐ4才になる。
子育ても随分と楽になった。
もう子どもを産まないとすれば、子育ては楽になっていくばかり。

疲れて家に帰ってきて、「ごはん作る元気ないなぁ」とつぶやけば、子どもたちが晩ご飯を作ってくれることもある。
私が病気になったら、上の子が下の子たちの面倒をみてくれるので、ありがたいことに病人でいられる。これも、ここ10年は出来なかったことだ。どんなにしんどくても、夫が帰ってくるまでは、子どもの世話をしなければならないってことは大変なことだったなぁ。
先日たまに出会う近所の高齢の女性に、「お兄ちゃん大きくなったなぁ。あんた、ようここまで3人立派に育てたなぁ」と言ってもらって、ほっこり嬉しかった。
まだまだ、添い寝して欲しがったり、抱っこをせがんだり、背中に飛びついてきたり。
たくさん甘えたい子どもたち。
だけど、着実に子どもたちは私の手を離れていく。
そんな子どもたちが頼もしくて、まぶしくて、そしてわずかに寂しさも感じている。

心理に関わる仕事を始めたのは、子育ての始まるほんの数年前。
医療領域、福祉領域、教育領域、そして女性ライフサイクル研究所で、様々な領域の仕事に携わってきた10数年。
違う役割を求められたり、違った問題を抱える人たちへの臨床であったり、分からないことにぶつかるたびに、本をたくさん読み、研修会に参加して学んできた。
新しいカウンセリングの手法が出てくれば、そのたびに取り入れる努力をしてきた。
周りの人たちに助けられ、いろいろな機会に恵まれ、お陰様で今携わっている仕事は、どの種の仕事にも充実感を感じている。ありがたいことだ。

人生の折り返し地点が近づこうとしている。
人生の残り時間も気になり始めた。
これまでのライフステージが幕を閉じようといている。
次のステージはまだ幕が開かない。
そんなちょっとした幕間の時間に、ふっと立ち止まっている。

どこに向かって歩いていこうか。
何にエネルギーを注いでいこうか。
迷って、揺れて、漂っている。

そう、ゆっくりと時間をかけて、たくさん迷っていよう。
こんな時間を、大切に、慈しんで過ごしていこう。
幕の向こうでは、すでに変化が始まっているのだろう。
幕が開いたとき、何が待っているのだろうか。
外からは分からないような、だけど自分の中では確かに何かが変わったというような、そんな変化が起こっているのだろうか。
ちょっとワクワクしながら、こんな時間も楽しんでいよう。

(2007年1月)