スタッフエッセイ 2006年12月

温泉大好き!

村本邦子

 私は温泉が大好きだ。出張のたびに、かなり無理しても、可能な限り温泉に足をのばし、1日何回もお湯につかる。とくに好きなのは、自然と一体化した露天風呂。柔らかくぬる目のお湯に長くつかるのが好きだ。身の回りには、私ほど情熱的な温泉好きはいないので、周囲からは呆れられている。いったい何が良いのだろう?と自分でも考えている。

 まず、自分を自然のなかに晒してやることは、一番のエネルギー・チャージになる。大地のエネルギー、気のエネルギーの充電のようなものだ。お湯につかるというのは、たぶん、胎児の状態に近づくことだろう。裸であるということも(外国風に水着で温泉に入るのは嫌いだ)、原初的な状態に近づくことだと思う。現代社会のなかにいて、素っ裸の状態で自分を青空・夜空のもとに晒してやれるという機会は露天風呂しかない。とっても解放されるのだ。

 みんなが裸であるというのもいいのかも(混浴は嫌だけど)。誤解を招くといけないが、お湯につかりながら、なんとな〜く体を洗っている人々の裸体が目に入る。お風呂では、何も隠したり、飾ったりしないし、太っていようが、痩せていようが、時には、体のどこかに手術の跡を残していたり、傷があったり、いろいろだけど、どの体も、ありのままで個性的だ。そんな光景が愛おしくて、ふと「女たち、ばんざい!」と叫びたくなる。

 古くからの温泉地では、源泉の公衆浴場などへ行けば、地域のおばあちゃんから赤ちゃんまでが集まって、ちょっとしたコミュニティになっている。何気ない会話が交わされるだけだが、つながりを感じることができる。こうやってこの人たちは日々、生きているんだなあと思いながら、多くの場合、旅人も、束の間だけど、輪の中に加えてもらえる。日本には温泉があるからカウンセリングはいらなかったのかな・・・なんて考えてみる。

 もちろん、身体的効果もある。最近、ちょっとずつわかってきたが、温泉には、単純泉、炭酸泉(いわゆる泡の湯)、重炭酸塩泉(いわゆる美人の湯)、含鉄泉、塩化物泉(熱の湯と呼ばれるしょっぱいもの)、硫酸塩泉、放射線泉(ラドンやトロンのラジウム泉)などがある。それぞれの効用まで、まだなかなか覚えられないが、最近は、必ず、温泉に表示されている成分表と効用をチェックするようにしている。もちろん、かけ流しか循環か、加水加温の有無も。

 アロマセラピーの講座で学んだが、入浴には、物理作用と化学作用があり、物理作用には、さらに、温熱効果、静水圧効果、浮力効果、粘性効果がある。お湯に入ると水圧で体を圧迫することはダイビングの理論で学んだが、たとえばウエストが3〜5センチも縮まるのだ。それだけに、体力が落ちている時の負担はあるが、運動効果もある。こういった効果を意図的に用いることができれば、温泉療法と言える。私の場合、いつもハイテンションで働いているので、何度も何度もお湯につかるなかで、ようやく体の筋肉を緩められるのだと感じている。それに、私の生活のなかで、何もしないでいる時間って、温泉につかっている時以外、ほとんどないのだ(良いことじゃないけど)。

 趣味が高じて、最近は、もっと本格的に温泉のことを研究したいなと思っている。温泉学という分野があり、温泉学会というのもあるようだ。フィールドワークが温泉なんだから抜群に楽しく実利的な研究領域だ。今のところ、化学的研究が主流で、心理学的研究はまだあまりなさそう。私にちょうどいいかも。ウッシシ。

(2006年12月)