スタッフエッセイ 2006年7月

苦手なんだけど・・。 

原田光恵

この時期、いつもなら我が家(の外)にいる方
(っていうのがいいのかどうだか・・)が今年はなかなか姿を見せない。
ホントは、とても苦手な方なので、見ると
ものすごくびっくりするんだけど、
姿が見えないと、それはそれでとても気になる。

気になる方とは、我が家に住みつくヤモリのこと。

いつもなら、もうあちこちの窓で張り付いてなきゃ
いけない時期。
またその張り付き方が大胆で、ちょうど窓の真ん中あたりを
陣取っている(ように見える)。
さらにヤモリは、夜になってからお出ましなので
あの姿がよく目立つ。
ヤモリを見つけるたびに、ゲッ!と驚かされる。

でも。

今年はなかなか会えないなぁ。
苦手な相手を待ち侘びる私。
「ヤモリは家を守ってくれるから、いるのはいいことなんだよ」。
そう教えてもらってから、「爬虫類だけどヤモリは別格、
苦手だけど、いてください」。
複雑な気持ちで毎年の夏を過ごす。

いる場所にいないとなると、どうも気になる・・。

家族とも「このごろ見えないよね」と噂する。
なんでヤモリが見えなくなったのか。
あれこれ考えてもみる。

まず思いついたのが、「何か天敵が現れたんだろうか」。
蛇?蛙?鼠?
うわぁ、どれも苦手なものばかり。
ヤモリに変わって、今度はこのお三方が定位置に
はびこることになったなら・・。
思っただけでも身震いする。

それとも、ヤモリが住めない環境に我が家の外は
変わってきているのか。
小さいヤモリにとって、やっぱり影響はダイレクトだろうなぁ。
ヤモリが見えないのは、今年だけだろうか。
「知らないよ・・」。
また自然から見放されたことが増えたか。
そう考えると、なんだか怖くなる。

そんなある日。
ふと、窓を見ると
「ゲッ、いた」

驚いたけど、定位置でいてくれたのは
なんだかホッとしてうれしくなった。
けど。
やっぱりあの姿、苦手だ。
この夏も、ヤモリを見つけながら葛藤は続く。

(2006年7月)