スタッフエッセイ 2006年6月

元気の素

村本邦子

 「誰に聞いても、村本さんって、いつも元気だよねって言うね〜」と人から言われた。「そう?それ言ってる人たち、自分が元気ないんじゃないの!?」と答えたが、ちょっと考えてから、「だって、好きなことばっかりしてるからね〜」と付け足した。すると、「そんなこと言ってる日本人、村本さんぐらいだよね〜」と返ってきた。そうか、日本人は好きなことをしない人種なんだ。ふ〜ん、そうかもしれない。
 
 私の育った家庭では、「好きなことを一生懸命やるのは良いことだ」という価値観があった。だから、自分の子どもにも、好きなことを一生懸命やろうとしている時には、親が大変な時でも、できる限りの応援をしてきた(つもり)。手抜きの子育てでも、これだけは実践してきたから、きっと子どもたちも元気なのだと思う。

 「うち、毎日、毎日がめっちゃ楽しいねん」と娘が眼を輝かせている。「高校時代って人生で一番楽しい時なんかな?」と言うから、「何言ってるの!お母さんだって、毎日、めっちゃ楽しいで〜。大人になっても楽しいで〜」と言うと、「そうか〜。そうやんな〜」と納得していた。
 
 好きなことを一生懸命すること、これは日々を元気に生きるコツだ。もちろん、好きなことを一生懸命やることのなかには、苦労や困難も含まれている。決して楽なことばかりではない。でも、同じ苦労でも、やらされていると思えば耐え難く苦痛だが、自分が好きで選んだことだと思えば、頑張れる。柔道をやっている息子も、高校生活最後の試合前で、練習がきつそうだが、よく頑張っている。全部、自分が選んだことだからだ。

 人生には自分で選べないことも、たくさんある。それでも、ちょっと視野を拡げてみれば、あるいは、柔軟な発想転換ができれば、人生の選択の幅はぐ〜んと広くなる。一番、自分を縛っているのは、実は自分自身ということは案外あるものだ。本当は自分で選んでいるのに、つい、人のせいにして、「イヤダ、イヤダ」と言ってしまうことって、あるんじゃないかな〜?

 自分の人生を主体的に生きること。環境を好ましいものにするために努力を惜しまない。でも、今すぐ手に入らないものに固執しない。今、やれることのなかから、自分にとって最善のものを選んでいく。とってもエネルギーがいることだけど、これが元気の素だ。

(2006年6月)