スタッフエッセイ 2006年2月

渡邉佳代、難波へ行く!〜熱烈思春期編!!

渡邉佳代

 えっちら、おっちら、電車を乗り継ぎ難波に向かう。今日は、難波市民学習センターで、連続講座『思春期と向き合う』の第2日目、渡邉担当の「思春期の問題と向き合う」の日。難波なんて、何年ぶりだろう?!関西に移り住んで長く経つが、おそらく10年前に、故郷の友達が遊びに来た時に足を伸ばした以来だろう。

 大学時代、故郷の田舎で車の免許を取りに帰っていた時、教習所の応急救護実習か何かの時間に、教官の先生が「倒れている人を見つけたら、まずは呼吸確認、気道確保!そして、『助けてくださ〜い!』って、でっけ声で周りに助けを求めなせ!オラとこの県民性からせば、『助けてください』って言えば、おめさん、たいてい誰か助けてくれるわね。なにっせ、全国でもお人好しランキングがあればさ、うちの県なん、ベスト3には入るがんでねぇねっかね〜。皆、のんびりしてるっけね〜」と教えてくれた。

 本気だろっかね〜?とその時は訝しく思ったが、初めて難波に出てきた時、あぁ、そうだ、私はここ(難波)とは違う時間の流れの中で育ってきたんだ!と、改めて自分が育んできた(?)、のんびりとした県民性を想った。激しく行き交う人々の流れ、雑踏の騒々しさ、空高くそびえ立つビルの群れ・・・。るるぶ大阪を片手におぼつかない足取りで、やっとのことで道頓堀のグリコの看板に辿り着き、やや控えめに、看板と同じポーズで写真を撮るのが精一杯だった。

 あれから10年。その難波での講師派遣だった。事前準備は抜かりなく、センターがあるOCATの場所や乗り継ぎを確認する。この時点で、一緒に連続講座を行う津村さんから、OCATとなんばパークスは違う建物なのよ・・・と突っ込みが入る(難波で大きい建物と言えば、電車の釣り広告で見た、なんばパークス!と思い込んでいた私)。その苦労あって、多少ウロウロするが、えっちら、おっちら、何とかセンターに到着してホッとする。

 私は普段、FLCではカウンセラーをしているが、自分の関心のあるテーマでは、講師派遣をさせていただくことが少なくない。今までは、アサーション(自己表現)トレーニングでの講師が多かったが、実は「思春期の子ども」のテーマは、私が学生時代から最も関心を寄せているもの。学生時代に不登校の子どもたちと関わってきたことから、中学校のスクールカウンセラーの経験を通して、私が密かに温め続けてきたテーマである。

 今月は、スクールカウンセラーのPTA講座も含めて、何と、思春期をテーマにした講座が3本入ったのだ!想いも熱意もひとしおに、ググッと胸が燃え滾る。講座では、問題を抱えた思春期の子どもへの対応は、おとなしい子、普通の子、ヤンチャな子・・・と異なる場合があり、それぞれの対応のポイントを紹介する。もちろん、子どもの悩みに寄り添うことがベースとなるが、出会ってきた子どもとのエピソードを交えながら、それぞれの子どもが抱える課題に焦点を当てて、対応を考えていく。

 もちろん、子どもへの対応には、こうしたら正しいとか、絶対というマニュアルはない。親が子どもの悩みに眼を向け、試行錯誤しながらも子どもと向き合って、対応を見出していこうとする姿勢が、子どもにとって大きな力になることが多いと感じている。それにしても、思春期を乗越えようとする子どもだけではなく、親や周囲の大人たちにとっても、子どもと向き合うにはエネルギーのいる時期である。「一体、子どもは、これからどうなっていくんだろう?」と不安や心配に押しつぶされそうになることもあるだろう。私が思春期講座で心掛けていることの1つとして、親子が元々持っている力に気づき、「きっと大丈夫!また頑張っていこう!」と、少しでもホッとした気持ちを持ち帰っていただけるよう、願いを込めている。

 さて、講座も終わり、恐る恐る難波から心斎橋まで散策してみる。カラフルな雑貨や冬物のセールに目を奪われながら、好みのセレクトショップを見つけて胸を躍らせる。心斎橋筋を闊歩し、難なく地下鉄心斎橋駅に潜り込む。あぁ、私も10年前と比べて、いつのまにか余裕を持って楽しんでいるじゃない、成長だわと感じ入る。どないな成長やねん!という突っ込みはナシ(笑)。

(2006年2月)