スタッフエッセイ 2006年1月

明けまして、おめでとうございます

西 順子

 一年があっという間に過ぎ、無事に新年を迎えた。昨年一年は新たなことに一歩踏み出した一年だったかなと思う。法人化して3年がたち、内側に注いでいたエネルギーを少し外にも向けてみようと思えた年だった。今年初のこのエッセイでは、昨年一年を振り返って、今年を少し展望してみよう。

 昨年は、研究所から一歩外に出て、スクールカウンセラー、専門学校の非常勤講師にチャレンジしてみた。いつものよく知った、安心できるこの研究所という「場」は何より愛着がある。自分がその「場」にコミットして関わり、仲間と共に創ってきたという愛着がある。そこにじっくり腰を据えているのは一番落ち着くが、適度に外の風にもあたり、風通しよくして、いつも新鮮な気持ちでいること、自分がその状態を保てるようしておくことは大事だとも思う。  

 外に出れば、またそれぞれの「場」、独自のコミュニティとして「場」が存在する。すでに出来上がっているその「場」のなかに入って、いかにジョイニングしながら、その役割と責任を果たし、しかも自分らしく納得いく仕事をしていけるか・・というのは、私にとっては新たなチャレンジであった。思うようにはなかなかいかないが、壁にぶつかり、どうしたらいいかと悩み、考えることは、この先にはきっと生かしていけるのではないかと、自分の成長につなげられると思えたことは良かったと思う。外の風にあたって、自分を鍛えることは、私のベースでもある日常の研究所での臨床にも生かされるはずと思っている。今年は、外で種を撒いた仕事も、少し根づき、芽が出てくるくらいまでになればと思う。

 また、2005年は、カウンセリングの技能向上のために、外部のいろんな研修に参加してみた年だった。NLP(神経言語プログラミング)、EMDR(外傷記憶の脱感作と再処理)、臨床動作法、認知療法など。日頃の臨床では、対話による心理療法をベースにしているが、時々、言葉での限界というものを感じることがある。特に、トラウマとなった記憶は、語れない記憶であり、語れない記憶に、どうアプローチすることができるのか、どうすれば来談された方の役に立てるのか、そのためにはまだまだ学びたいこと、学ばなければならないことがたくさんある。近年、トラウマ治療として動作法やEMDRが注目されているが、昨年はEMDRの資格を取ることができた。今年は、学んだことを生かして、少しでも来談された方の役に立てることができればと思う。こちらの方も、昨年種を撒いたものを育て、少し芽が出るくらいまで、自己研鑽を積んでいきたい。

 最後に、もう一つ。昨年後半は、自分自身の健康のためにと、エアロビクスをはじめた。日常生活の中で、リラクッスする時間は取っているが、運動不足が何年も続いていた。臨床の仕事は、ほとんど座ったままなので、一日中あまり動かない日もある。夏の終わりに、体力のなさと老いを実感して、このままでは・・と焦りと不安を感じ、何気なくエアロビクスに参加してみたら、これが結構、気に入ってしまった。「運動しなければならない」ではなく、「楽しい、おもしろい」になり、すっかりエアロビクスにはまってしまった。ステップを覚えるまではレッスンについていくのに大変だったが、いったん覚えてしまえば、後はいろんなステップを組み合わせて歩いたり、弾んだりするだけなので、ダンスのような振り付けの難しさはなく、楽しめる。続けていると心肺機能が高まっていること(はじめた頃と今とでは、しんどさが全く違う)、筋力・体力がついてきていることも実感できて嬉しい。また、体を動かすことは、体にいいばかりか、気持ちの切り替えにも役立っている。気が滅入っているとき、イライラとストレスを感じている時でも、ステップを踏んでいる時は、音楽と体とが一体になって、「無」になれる。レッスンが終わった後は、体の心地いい疲労感もあって、ぐっすり寝れる。「心と体は一体なんだ」と改めて実感している次第。

 おまけに昨年末には、アロマの勉強もはじめたが(たまたま縁あって)、これもまた思った以上に気持ちいいし効果があるし、理論を学んでいてもとても興味深い。いつか、何らかの形でカウンセリングにも生かせたらと希望も膨らむ。
エアロビクス、アロマと、セルフケアに取り組むことで、オンとオフの時間のメリハリがつけられて、生活にもハリがでてきた。今年も、「体」をキーワードに、体力・気力をつけて、自分自身が生き生きとしていられたらと思う。

 さて、今年はどんな年になるだろうか。今年は何か新たに取り組むというよりも、まずは、昨年種を撒いたこと、種を植え付けたことが、根を伸ばし、芽が育つようにと・・取り組んでいこうと思う。一年後には、どんな芽が育っているか、楽しみにするとしよう。  

 そして今年も、一つ一つの仕事、一人一人との出会いを大切にして、今の自分にできることを精一杯に、悔いのないよう取り組みたい。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

(2006年1月)