スタッフエッセイ 2005年11月

今日の晩ごはんは・・。

原田光恵

ある日テレビで、脳の老化防止のために、「昨晩のごはん、何食べた?」の記憶をたどるといい、という話題で盛り上がっていた。

それを聞いた我が家で、早速それぞれが「何食べたっけ?」を始める。昨晩のごはん作りをした私は、楽勝!と思ったのに、「???」。これはまずい・・、家族に悟られないように、と思いながらひそかに焦る。

材料は何を使ったっけなぁ・・、と考える。出来上がって食卓においたものをイメージするよりも、素材から記憶を手繰りよせる。おぉ、これって作った私じゃなきゃできない発想だぞ、視点の違いだ、とひとり優越感に浸っていると、「あ、昨日って・・食べたよ」。先を越されてしまった。

「じゃぁ一昨日の晩は何だった?」夫からの問いに、また考え始める私。「あ、カレーライスだ」。今度はすぐに思い出せた。理由は、まだ冷蔵庫に残りがあったからで、どうも私の場合は、晩ごはんの材料(冷蔵庫の中を思い浮かべる)から記憶たどりを始めている。

「じゃぁ、その前は?」さすがに3日前の材料は、まったく思い浮かべることができず。そこでたどり始めたのが、「その日、何してたっけ?」。いろんな手繰りよせがあるもんだなぁ。また悦に入っていると、「・・だったよ」。あぁ、また越された。そんなやりとりが数回続いて、気がつくと1週間前まで我が家の晩ごはんメニューがでてきた。すごい、結構思い出せるもんだな、と感心した。

それに加えて私自身は違った収穫があった。いつもワンパターンの晩ごはんだよなぁ、今日は何作ろうかなぁ、と晩ごはんづくりを億劫に思っていた気持ちに、なんのなんの1週間いろんなメニュー作ってるやん、よく考えられたもんだな、エライよな自分、とひそかに褒める、自分を持ち上げることができたひととき。老化防止とともに一石二鳥、得した気分になった。たまたま別メニューを作れた週を思い出したのが、さらによかったような。そうだ、この週のメニューをまたいつかのときに使うことにしよう。あ、メモするの忘れてた・・。

(2005年11月)