スタッフエッセイ 2004年12月

うさぎの気持ち

おだ ゆうこ


うさぎ

            まど・みちお

 うさぎに うまれて

 うれしい うさぎ

 はねても

 はねても

 はねても

 はねても

 うさぎで なくなりゃしない

今日、「自己肯定感」というキーワードをパソコンで検索していて、ある詩に出会った。

「自己肯定感」・・・わかるようで、わかったような気になって、わかったふりをしているけれど、今ひとつどんな感じがピンとこない言葉だった。

でも、この詩に出会って、『ああそういう感じなんだ・・・』とはじめて「自己肯定感」の意味を直感的に感じることが出来たように思う。

最初に読んだ時、なんだか思わず笑ってしまうような、嬉しいような、ほっこりするような感じがした。何があるわけじゃないけど、何が出来たわけじゃないけど、嬉しそうに何度もはねているうさぎが目に浮かび、幸せな気分になった。

わたしに うまれて

うれしい わたし

寝ても 覚めても

泣いても 笑っても

わたしで なくなりゃしない

なーんてなかなか思えないけれど、最近は「わたし」であることも悪くないかなと思う。どんな形であれ「わたし」に関わってくれる人たちがいるから今の「わたし」があり、「わたし」は多くの人達に支えられてきたのだな、とふとした折に感じることができるようになったからかな。

「わたしにうまれて うれしいわたし」初めは恥ずかしくて、なんだかむず痒くて、しっくりこなかったけれど、何度も目にして、発音しているうちに『けっこう悪くないかも・・・』と思えてきた。

でも、自己肯定感が本当に難しいのは、「うさぎに生まれてきたくなかったうさぎ」の話。何度はねてもうさぎのままである絶望感をどうやったら肯定できるようになるのだろう・・

・うさぎの気持はなかなか複雑だ。

(2004年12月)