スタッフエッセイ 2004年11月

もうすぐ師走

前村よう子

 ついこの間、新しい学校での非常勤講師生活が始まったかと思えば、もう来月は師走である。30代に入ったあたりから、どうも私にとっての時間経過が早くなったように思えて仕方がない。特に、40代に入ってからは、とみに加速度を増しているように感じられる。師走生まれ(また随分と忙しい時に生まれたものだ)ゆえ、来月には、また一つ歳を重ねることになる。数年前までは「わーい、誕生日だ」となんとなくお祭り気分で過ごせたが、昨年からは「ふー、またまた狭き門が、より狭くなるなぁ」とため息をつくようになった。狭くなるのは、私のもう一つのライフワークである「ガッコのセンセ」で居続ける事が、より困難になっていくことを意味している。
 今更かもしれないが、非常勤講師ではなく、専任教諭として学校という場で仕事をしたいと、昨年暮れから考えるようになった。それまでもその考えが頭をよぎることはあったが、なぜか一歩を踏み出す勇気を持てずにいた。それが昨年度末で、長年非常勤講師をしていたとある高校での契約が終了することとなり、「これを一つの機会と捉えて、チャレンジしてみよう」という気になったのだ。生徒との関わりの中で、「クラス担任をしたい。もっとしっかりと関わって行きたい」という気持ちも深まっていたことだし。
 そして昨年度末から、私立公立を問わず、四十路のチャレンジが始まった。20代の大学&大学院卒のフレッシュな方々に混じっての受験。それでなくとも就職難の今日。教員採用試験の競争率は高い。とりわけ社会科系は、募集そのものが少ないにのに応募者は多い(教育学部出身者に加え、法学部・経済学部・経営学部・社会学部等の社会科学系は、皆、社会科免許を取得可能ゆえ)。当然、どこを受けても競争率はより高くなる。しかも試験範囲は恐ろしく広い。世界史・日本史・倫理・政経・地理・・・全ての分野から均等に出題される場合が多い。
 今のところ、全て嬉しい通知を貰っていない。それどころか受験する度に、自分の記憶力のなさに嫌気がさす。これまでの人生で長期的に蓄えてきた知識ならなんとかなるが、短期的に植え付けようとした知識は、ことごとく逃げていく。思考すること、文章で表現すること、誰かに何かを伝えようとすること・・・これらにはある程度の自信があるが、記憶力勝負の世界にこれから飛び込むというのは、やはり無謀だったなと痛感する日々だ。
 ただ、あきらめが悪い(しつこいとも言う?)性格なので、まだまだチャレンジは続けて行きたいと思っている。年齢を重ねると共に受験機会さえ減少(というか、ほとんどの学校では、年齢で門前払いをくらう)しているのが現実だが、日々の学校での仕事と共に、自分自身の知識の積み重ねも、諦めることなく続けていこうと思う。先の長い話だが、来年の師走までには、吉報を手にしたいものだ。40代以上で教員を目指している皆さん、共に頑張りましょう。

(2004年11月)