スタッフエッセイ 2004年10月

私の町の秋祭り

森崎和代

稲穂が実る収穫の秋。私の町にも秋祭りの季節がやってきた。朝のウォーキングで、田植えの頃から稲の成長を見続けている私にとっても心ときめくうれしい時期だ。そして、わたしは「お神楽の母(?)」になる。
 当時小学校6年生だった娘は、「調べ学習」で我が家のすぐ近くにある神社を調べた。高齢の宮司さんから、神社の歴史や昔の町の様子を聞き、古くからある由緒正しい神社であることがわかったらしい。そして、伝統の祭り行事もあるのだが、それを伝え教えていた妻も病気がちになり、又継承する人もなかなかいないので困っている、という話を聞いてきた。「大切なお祭りがすたれてしまう。それは大変!」と、娘はその時一緒に行った友達2人と「お祭りを守れ!」とばかりにお神楽を習うと言い出したのだ。
 それから毎年この時期、夏が終わる頃から練習を重ね、町にある小さな村の神社にも出向き、お神楽を舞うようになった。そして私も御子(みこ)さんの母として、娘に付き添い毎年3〜4箇所の神社を巡る。
 夕方4時ごろ、各大字(だいじ)からお迎えの車がきて、神社へ向かう。御子として丁重に迎えられ、社務所やその年の世話役さんの家(昔ながらの立派なお屋敷が多い)でおもてなしを頂く。その後、薄暗くなり境内の提灯に灯りがともるころ、衣装に着替えて神社へ。小さな境内では、子ども会の役員さんの出店が並び、子どもたちの楽しそうな姿。あてもんがあったり、金魚すくいがあったり、毎年おもちつきをしているところもある。しかし、楽しんでいるのは子どもばかりではない。おでんのテントの周りには、村の人たちが酒を酌み交わしながらにぎやかに談笑している。
 拝殿には、ほとんど家族連れでお参りに来られる。おじいちゃんやおばあちゃん、おとうさん、おかあさんに、娘、息子と孫たち。「頭下げて、シャンコシャンコ(頭の上で鈴を鳴らしてもらうこと)してもらうんやで」。拝殿に座っている世話役さんからは、「やあ、○○ちゃんも、もうお母さんかいな〜」「孫さん、大きならはったなぁ」「お下がりもろて帰ってや」・・・。
 なんとものどかで、懐かしいにおいのする私の町の秋祭り。10数年前、大阪から引っ越してきた新入り親子が、この土地のお祭りにこんな形で参加させていただいている。なかなか経験できる事ではないし、不思議なご縁だなぁと思っている。さあ、ジーパンからスーツに着替えて「お神楽の母」に変身!それでは、お祭りにいってきま〜す!

(2004年10月)