スタッフエッセイ 2004年9月

空を眺めながら

原田光恵

空を眺めて、雲の動きを見るのが好きだ。大人になった今も、ちょっとしたときに空を見あげる癖がある。
子どもの頃、空の雲が動く(流れる)ことを初めて知ったとき、もの凄いことを発見したような気持ちだったような。そしてそれを知ってからは、何か目標物を見つけてはそこにたどり着く雲を見る時間を楽しんでいたっけ。ゆったり流れるその時間はとっても貴重だなんて、あの頃は全く考えてなかったけれど。
今年の夏も色んな空、雲を見た。いきなりの雷雨によく出会った今夏、雷雨の前に見る空は、積乱雲の前に斜にかかる雲があり、その前に流れる薄い綿菓子のような雲がどんどん通り過ぎていく、まるで3D体験。その空を見ているだけで、ちょっと怖くなった。それから、カンカン照りの雲一つないきれいな水色の空。体は暑さでぼーっとしているけれど、目だけは涼やかな気分。また、夕方日の入りに見る空の雲は、何とも言えない独創的な色(あの色は、紙の上に出すの難しいだろうな、と思いながら)が何層にも分かれていた。幻想的な世界にうっとりする。本当にこの時間って貴重だよな。
今の世の中、空を眺める時間がある人って何人いるんだろう。大人は少ないだろうな。うーん、大人だけ?子どもも、かな。
ゆったりと流れる時間があるってこと、とっても貴重だよな、と今の子どもたちは空を見ながら実感しているかもしれない。空を眺めながら、子どもたちと、時間のことを気にせずにゆっくり眺めていたいよな、と思った。
(2004年9月)