スタッフエッセイ 2004年2月

占いを信じますか?

下地久美子

 なにも今に始まったことではないけれど、世の中、占いが好きな人が多い。朝のテレビの番組では、こぞって「今日の運勢」というコーナーがあるし、インターネットの占いサイトは、根強い人気があるという。

 かくいう私も、占いマニアで有名(!)だ。特に、昔から星占いが好きで、学生時代は、人と出会うと、まず誕生日を聞かないことには安心できないし、男の子とつき合う第一条件は、なにより星座の相性がいいことだった。将来も、本気で占い師になろうと思っていて、占い師の専門学校へ行こうとしたら、「そんなところに行ったら中国に売られる」と、両親が泣いて止めるので、断念したという過去を持つ。
 そんなこんなで、現在、私が似非占い師として活躍できるフィールドは、飲み会の席だけになっている。「あなたは、おうし座だから、石橋をたたいても渡らない慎重派だね」とか、「いて座は、追うのは好きだけど、追われるのは嫌いでしょ?」とか、もっともらしく言うと、友人たちは「当たってる!」と、感心してくれるので、つい調子に乗ってしまう。

 最近気づいたが、夫婦や恋人同士で、星座の相性がいい人というのはめったにいない。
 これほど星座の相性にこだわる私でさえ、選んだ夫は、おひつじ座で、さそり座の私とは、相性が悪い。おひつじ座は火の星座だが、さそり座は水の星座なので、おひつじ座の火をさそり座の水は、消してしまうという最悪の組み合わせなのだ。先日も、夫が、「俺さ、料理が好きやから、会社辞めて、料理学校へ行って、料理研究科になろうと思うねん」と、非現実的なことを言うので、すかさず「だいたい40代で、会社辞めてどうするの!家のローンもあと30年以上残ってるし、これから子どもの教育資金もかかるし、そんな夢だけでは生きていかれへんねん」と水を差し、夫の夢は、もろくも玉砕された。

 実際のところ、離婚や別れ話が、巷にあふれているのは、そもそもはじめから相性が悪いせいではないかと、思う。もちろん、データによる裏づけはないが・・・。
 心理学的には、恋愛関係において、人は、自分にないものを相手に求めることが多く、その結果、自分とは正反対の相手を選ぶ傾向があると言われている。そして、最初は、自分にない相手の性質は新鮮で好ましく思われるが、時間がたつにつれて、理解できない受け入れがたいものへと変化していく。この段階を乗り越えられれば、強い絆が生まれるのだろうが、いかんせん、人間、そんなに出来た人ばかりじゃない。だから、会うは別れの始まりというのも、至極当然のことなのだ。まあ、ひっついたり別れたりしながら、人生勉強していけばいいと思うのだが、中には、何度失敗しても学習せず同じようなタイプにばかりに惹かれる懲りない人がいる。こういう人々は、毒を食らわば皿まで・・・という根っからの破滅型なのか?はてさて、星のめぐり合わせなのか、なぞである。

(2004年2月)