スタッフエッセイ 2003年8月

保育所の先生と、子ども、そして私

窪田容子

 上の子の保育所生活、最後の2年を受け持ってくれ、子どもの卒園と同時に他の保育所へ異動となった先生が、元の保育所に遊びに来ていて、下の子を迎えに行った私に、声を掛けてくれた。「○○くんは?」と先生。「今日は友達と遊ぶって、ついてこなかった・・。」「残念!会いたかったー!」「あー、連れれこれば良かったー。」「明日行くからって、昨日電話しようかと思ったぐらい。でもそこまでするのも変かと思って(笑)。会いたかったなー。」異動先の保育所でもまた新しい子ども達との関わりもあるだろうに、こんな風に思ってくれていることが嬉しかった。この先生に、どれだけ親も子もサポートしてもらったことかと思う。また、会えて話せたことが嬉しかった。
 子どもはいつも、先生が大好きで、しっかりと関係を結んでいった。こんなに愛着を持っていたら、担任が替わったらさぞ、寂しいだろうなーと、年度末には親はちょっと心配したものだったが、いつもそれは杞憂となった。新しい先生と、また仲良くなり、それにつれて、前の先生は薄れていくようだった。
 この日、帰宅して、先生と会って話したことを子どもに伝え、「お手紙でも書いたら?」と言ってみたが、子どもは「えー、書かへん」とあっさり。卒園式の前日には布団の中で泣いていて「先生とお別れするのが寂しい」と言っていたのに、茶話会では、先生のお膝を占領していたのに・・・。
過去にちょっと未練を感じ、熱い気持ちを抱いているのは、先生と親の私。子どもが将来先生と話したくなるかもしれないなどと思い、これからもお手紙を書いて、先生とつながっていたいと思うのも私。子どもは「過去」でも「未来」でもなく、「今」を生きているのだなと思う。そして、それで良いのだと思う。

(2003年8月)