スタッフエッセイ 2003年5月

ガッコのセンセ

前村よう子

 非常勤ではあるが、私は高校と専門学校で授業をさせて頂いている。「現代社会科」と「社会学」「心理学」の違いはあれど、生徒や学生に対する気持ちや接し方はほとんど変わらない。一旦、私の授業を受けてくれた以上、みんな可愛い教え子である。

 しかし、非常勤講師の哀しさ。まず担任になることはできない。中学・高校時代「学校なんて大嫌い、先生なんてろくなもんじゃない」と思っていた私は、最初、非常勤講師になった時、担任や常勤というものにさほど魅力は感じていなかった。しかし、ひとたび教師稼業を始めると、これがなかなか魅力的なのだ。何より、生徒が可愛くて仕方がない。最初の担当が女子校だったから可愛いと思ったのかもしれないと当初は考えていた。その後、男女共学の非常勤も担当し、どんな生徒や学生であっても、教え子だから可愛いのだという結論に達した。びっくりするような問題を抱えた生徒や学生たちにも出逢ってきたが、やんちゃであればあるほど可愛いのだ。授業だけの関わりではもったいなくて、時間と日程が許す限り、積極的に学校行事に参加したり、職員室より教室に入り浸ったりしている。それでも非常勤であることには変わりなく、生徒や学生に深く関われないジレンマがつきまとう。ここまでのめり込むとは思わなかった。

 さて、非常勤の哀しさのもう一つは、一年の契約が切れれば、教え子たちとの学校での縁も切れてしまうということだ。たとえ担任になれずとも、ずっとその学校に勤務し続けることができれば、生徒や学生たちに継続的に関わることが可能となる。けれど、次年度の契約は私が決める訳ではなく、あくまでも先方の学校まかせ。「卒業しても学校へ会いに来るよ」という卒業生に「待ってるよ」と言えぬ哀しさ。もちろん、個人的に卒業後も連絡を取り合うくらいに関わった教え子もいる。それでもやはり、寂しさはつきまとうのだ。

 学生・生徒の皆さん、こんな風に思ってるガッコのセンセだって、世の中には居るんだよ。